「投高打低」が顕著なパ・リーグの中で異彩を放つ。西武山川穂高内野手(30)が今季2度目となる1試合2発を放った。打席に立てば、何かが起きる-。そんな雰囲気をまとう。

まず1回1死二、三塁。低めのフォークを2球連続で空振りした。0-2と追い込まれて、内心では「やばい」となったが、集中力は研ぎ澄まされる。さらに続いたフォークを見極めた後の外角高め154キロ直球。自然と体が反応し、右中間テラス席へ運んだ。

7回1死でも7号ソロと続いた。日本ハム・アルカンタラと2本差でリーグトップ。驚くのは極めて少ない打数。わずか41。3月30日に軽度の右太もも裏肉離れし、14試合を欠場しており、出場は12試合だけだ。

打席では常に「本塁打狙い」。ぶれずにたどり着いた境地が、好調の秘訣(ひけつ)でもある。「本塁打を狙った方が間合いが取れる。ヒット狙うと当てにいく作業になってしまう。僕はしっかり振らないとヒットにもならない。本塁打狙いというと、誤解されがちかもしれないですけど、いい打ち方をすることを目的としている」。状況に応じた打撃を求められることもあるが、いいスイングの手段としてスタンドインを意識する。そこに大砲の神髄が詰まる。

2発を放った直後のコメントは「打ててよかったよHeyman」。よく高山打撃コーチが「Heyman」とあいさつしており、試合前の声出しでも山田が引用したワードを使い、ノリノリで盛り上げた。山川がスタメンに名を連ねる試合は9勝3敗。逆にそうでないと、3勝10敗1分け。ムードメーカーの役割も含め、極上の仕事が光っている。【上田悠太】

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