孤軍奮闘…。連勝が止まった敗戦で、広島西川龍馬外野手(27)が今季初の1試合4安打と1人気を吐いた。今季38安打は両リーグ最多。打率、本塁打でもチームトップの記録を残すなど、広島打線をけん引する。チーム全2得点を挙げる働きも、連勝は3でストップ。球団通算4500勝は持ち越しとなった。

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右に左に2本ずつ打ち分けた4安打が、明日への希望となった。好調な打線が沈黙する中、3番西川のバットは打ち出の小づちと化した。昨季対戦打率5割7分1厘のヤクルト原から今季初の1試合4安打。シーズン安打数を38本に伸ばし、両リーグトップを快走する。

「まだ始まったばかりなので、そこばかり意識しても。ミスショットが少なくなってきているので、そのへんに関してはいいかなと思います。今日は全部ヒットになりましたけど、凡打でもいい凡打が増えればいい」

好調さを示す、西川らしい4安打だった。1回2死では原の内角に食い込むカットボールにうまくバットの面を合わせ、ライナーで右前へ。3回はカウント2-2からの外角カーブを左前に転がした。6回は2球で追い込まれながらも、低めボールとなるスライダーをゴルフスイングのようにすくい上げて左翼線への二塁打とした。8回は2死から真っすぐを引っ張り、右前打。3、4本目がチームの全2得点につながった。

開幕からリードオフマンを任され、チャンスメークだけでなく、ポイントゲッターにもなった。22日DeNA戦からは3番になっても、好調を維持。3番で先発出場した全4試合で安打を記録する。プロ通算2223打席に立ち、603安打で通算打率は2割9分7厘。通算打率3割近い数字が物語る打撃センスで、新打線の中核を担う。

連勝が3で止まり、王手をかけていた球団通算4500勝到達も持ち越しとなった。佐々岡監督が「龍馬がしっかり集中してやってくれている。切り替えて、明日やるだけです」と言えば、西川も「雰囲気自体は悪くないので、また明日いい形で勝てれば」と前を向く。大量ビハインドの展開で諦めずに快音を響かせた姿が、明日に向かう広島ナインの背中を押した。【前原淳】

○…昨季チーム最多54試合に登板した森浦が今季初マウンドに上がったが、1回3安打1失点と苦しんだ。6点ビハインドの8回から登板。連打で1死一、二塁とされ、村上に中前適時打を許した。「甘く入っているので、投げきらないといけない。点を取られたので、次からしっかり仕事を果たしたい」。不調で1軍合流が22日と遅れた左腕が、巻き返しを誓った。

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