ロッテ山口航輝外野手(21)が3安打4打点で、チームに今季初の逆転勝ちをもたらした。

お立ち台でインタビュアーから「山口選手は大変、俳句がお得意ということで」と締めの一句を求められ、ほおを緩めた。「行きます」と1拍置いて、続けた。

「こいのぼり 僕も登るぞ 頂点へ」

中学校時代、伊藤園主催の「おーいお茶 新俳句大賞」佳作特別賞に輝いた腕前を披露した。中堅後方バックスクリーンの上では、3匹のこいのぼりがマリンの風にはためいていた。

5番として、今季26試合目でチーム初の逆転勝ちをもたらした。初回、3回と2打席続けて適時打。仕上げは5回だ。同点に追い付き、なお2死三塁。日本ハム上沢の149キロを見逃し、151キロはファウル。2球で追い込まれ、その後も真っすぐが続いた。5球目、外にスライダーが外れた。それで「真っすぐ1本」と頭の整理がついた。続く高め151キロを強振。「完璧です」。左翼へ勝ち越し3号2ランを放り込んだ。

4月を借金3の5位で終えた。12球団断トツのチーム防御率(1.91)を誇りながらの苦戦。打線は外国人選手の不振やベテラン勢の故障が響いている。山口は「外国人やベテランの人たちに頼るばっかりじゃチームは強くならないと思います。若手が勢いを付けなきゃいけない試合もある」と頼もしかった。一塁ではなく、今季初めて左翼で出場。本職は外野なのに「緊張しました。マジかと」と言って笑いを誘ったが、すぐに「守れたら出る幅も広がる」。引っ張る覚悟はできている。【古川真弥】

▽ロッテ井口監督(山口の左翼起用に)「佐藤が捕手じゃない時は一塁に入るので、必然的に外野になる。現状では外国人選手の調子が上がっていない。(打順を)変えていくしかない」

【ニッカン式スコア】30日のロッテ-日本ハム戦詳細スコアー>