日本ハム伊藤大海投手(24)が、“呪い”に打ち勝った。西武の山賊打線を7回2失点に抑え、ロッテ佐々木朗に並ぶハーラートップタイの5勝目を挙げた。試合前には、競馬予想した本命馬が着外になる「粗品の呪い」が話題の、お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品からSNSを通して“本命指名”を受けて初回に失点。不吉な予感が漂ったが、味方打線が7回のラッキーセブンに勝ち越しに成功。白星が転がり込んだ。

   ◇   ◇   ◇

ツキがあるのは、伊藤だった。7回7安打2失点の粘投。この日も「粗品の呪い」に惑わせられながら、ハーラートップタイの5勝目をもぎ取った。「何とか、はねのけてやりました。いい呪いをかけてもらったんじゃないですか? 発想の転換です」と、勝者の余裕さえ垣間見せた。

試合当日の昼頃、またしても呪いが発動された。「今日応援しています」。霜降り明星の粗品が、自身のツイッターで紙に伊藤の名前を書いた写真とともに更新した。粗品といえば、競馬予想した本命馬が、軒並み着外となる「粗品の呪い」がネット上で話題。伊藤は霜降り明星のYouTubeチャンネルの視聴者で、3敗目を喫したタイミングで“呪い”に気付かされた。

「『粗品の呪い』という言葉を覚えたんですけど、それが4回にきた」。5日の楽天戦の4回、4四死球が響いたのは“呪い”のせいだと自己分析。この言葉が、何らかの形で呪い主・粗品の耳に入ってしまった。前回登板の13日ソフトバンク戦の試合前に「伊藤大海」とツイートされた。不幸中の幸いだったのは「海」は正しくは旧字体。おかげで? 今季初の完封勝利を挙げることが出来た。

今回の呪いは強力だった。旧字体で手書きした名前を撮影して、正真正銘の“本命”指名を受けた。「うわ、いきなり名前きた」とおびえながら「いいね」ボタンを押したという。初回、不運な形からピンチを招き、2点の先制を許した。2回以降は持ち直し、直球とスライダーを効果的に使い、無失点投球を貫いた。

本塁打キングの山川対策には、楽天滝中がカーブを多投して無安打に封じていたことにヒントを得て実践。「すぐに切り替えて要所要所を粘った結果が最後、逆転してくれた」と感謝した。新庄監督は「今年は36勝くらいできそう」と笑いながら言うほど、伊藤から勝ち運が漂い始めた。【田中彩友美】

▽女房役の宇佐見が仕事を果たした。1-2の7回1死満塁、左中間越えの3点適時二塁打を放ち、逆転に成功した。伊藤に5勝目を届け、「先発投手が勝てることが一番、捕手をやっているなかで大事。なおかつ自分が打てたのは良かったし、大海が勝てて良かった」と喜んでいた。

【関連記事】日本ハムニュース一覧