ロッテ東條大樹投手(30)が充実のプロ7年目を過ごしている。チームが44試合を終える中、すでに20試合で“東條、登場”。2勝1敗8ホールド、防御率は0.95と安定ぶりが光る。

「やっぱり、1軍で投げられるっていうのはすごい幸せなことなんで」

かみしめるように話す。昨季は5試合に投げ、打者20人に被安打5、与四球5。コンディション不良というわけでもなく「実力じゃないですか。球も全然いっていなかったと思います」と悔やむ1年になった。

オフは体幹トレーニングにも多く取り組み、肉体面を見直した。右の強打者へのワンポイントに起用され、大きなスライダーでかわす-。そんな印象は一変、左打者にも140キロ中盤の直球を力強く差し込む。「1イニング任せてもらえるのは、すごくうれしいことなので」。

勝ち試合の7回が板についてきた。この日も1死二塁から上位打線の左打者が3人続く場面を切り抜けた。3番柳田には7球中6球がスライダー。遊ゴロに打ち取った球もスライダーだった。

時に空振りした左打者の体に当たるほど大きく曲がる魔球的なスライダーは「特に。普通くらいだと思います」と謙遜する。比率こそ少ないものの、今年は新球種を混ぜている。

「去年、全然ダメで。カーブ、投げてみようと。それが良かったので今年も。カーブはまあまあいけるなって感じです」。今春の石垣島キャンプでもブルペン投球で精力的にカーブを試し、レベルを上げてきた。スライダーより少し遅く、少し大きな弧を描く。1つのアクセントが幅を持たせ、打者の迷いを増やす。

井口資仁監督(47)も「今年に関しては真っすぐも強い。どちらかというとボール、ボールで自滅してることが多かったですけど、今年はストライク先行でできているのがいいところ」と、高い信頼で送り出す。このペースなら60試合登板を超える可能性も。目標の登板数は。「いやぁ、特にはないです」とした東條は「行けるところまで」と力強かった。【金子真仁】

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