韋駄天(いだてん)が復活だ! ソフトバンク周東佑京内野手(26)が、「日本生命・セパ交流戦」の広島戦で今季1号2ラン。昨秋に右肩手術を受けた苦労人が、約1年ぶりのアーチで笑顔のお立ち台に上がった。牧原大、三森にも本塁打が飛び出し、今季初の2試合連続の3発。今季5度目の同一カード3連戦3連勝となり、交流戦首位タイに浮上した。

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周東の一振りが、広島の息の根を止めた。6-0の6回無死一塁。薮田の145キロ直球を「今までの人生で一番良かった」という感触で右翼スタンドに運んだ。1軍では21年5月7日の西武戦以来、1年ぶりのアーチ。昨秋に右肩を手術した苦労人が、ダメ押し弾で完全復活を印象付けた。

今季は2軍スタート。開幕8連勝のチームとは裏腹に、胸の内は苦しかった。

「何回も気持ちは折れました。戻ってこられるか本当に心配だったんですけど、たくさんの方々に支えられて、ファンの方にも待ってますと応援をいただいた。1日でも早く1軍に戻ってしっかりプレーできるようにと思って過ごしていました」。

お立ち台では自然と声が弾んだ。待ちわびた鷹党の声援を真に受けた。カメラのフラッシュライトを浴びる周東は輝かしかった。ヒーローインタビューの途中には、猫がグラウンドに乱入するハプニングも発生したが「(猫は)速いですね! びっくりしました!めっちゃ速かったっす」。鷹の韋駄天(いだてん)もびっくりしながら? 爽やかな笑顔を浮かべた。

3回は牧原大、4回には三森が本塁打。打ち上げ花火の締めを飾り、2試合連続3本塁打の勢いに乗った。今季5度目の同一カード3連戦3連勝で交流戦首位タイにも浮上。「本当にリハビリを頑張ってきて良かったなと、改めて思いました」。苦渋をなめてきたからこそ、心の底から喜んだ。【只松憲】

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