日本ハム新庄監督はグラウンド入りすると、入念に天然芝をチェックした。三塁後方を指さして「そこが(周囲より)上がっているんですよ。そことセカンドだけ。ハーフライナー気味の打球を追いかけた時につまずく。勢い余って。ちょっと言ってきます」。取材対応中だった報道陣から離れ、この日スタメンの新人二遊間、水野と上川畑にレクチャーした。守り勝つ野球は、就任当初から掲げるスタイル。先発は打たせて取るタイプの加藤でもあった。事前準備の大事さを、率先して選手たちに示した。

守備重視のオーダーを組む中で、打線の目玉は4番に据えた。「今日4番、上川畑君」。1週間前に初昇格させたドラフト9位ルーキーは打撃好調。29日巨人戦(札幌ドーム)でも左腕横川から中前打を2本放っていた。「左投手にいいんですよね。崩れないところがいい」。球団の新人4番は59年張本以来、63年ぶりという大抜てきで広島床田の攻略に挑んだ。

緻密さと大胆さを併せ持つのがBIGBOSS野球の魅力。勝率5割以上の戦いぶりを見せた5月は、そんな新庄監督の思考がチームに浸透してきた1カ月間だった。【木下大輔】

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