阪神が「初物」に苦戦し、自力優勝の可能性が消滅した。西武のドラフト2位ルーキー佐藤隼輔投手(22)と初対決。序盤から走者を出すが、140キロ台後半の速球を軸に組み立てるサウスポーを打ちあぐねた。無得点が続き、6回は2死一、三塁の好機を築き、佐藤を降板させたが糸井が2番手の水上由伸投手(23)に投ゴロに抑えられた。

打線は最後まで決め手を欠き、7回1失点と好投の先発西勇輝投手(31)を見殺しにした。本拠地甲子園で3連敗。5月は11勝13敗で開幕から3カ月連続の負け越しとなった。54試合目での自力V消滅は、00年以降では01年の67試合を超えて球団で「21世紀最速」となった。直前の4試合は首位ヤクルトと相星で免れていたが、5度目の崖っぷちで踏ん張りきれなかった。

矢野燿大監督(52)が今季限りの退任を表明して臨んだシーズンは虎党の悲鳴から始まった。3月25日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)では7点差をひっくり返されて敗戦。守護神スアレスの後釜と期待された新外国人ケラーが9回に2本塁打を浴びた。ケラーは同29日広島戦でも2失点して2軍降格。開幕から2カ月がたった今もファーム暮らしが続く。

チームはセ・リーグのワースト記録を更新する開幕9連敗の後、1勝を挟み、再び6連敗。開幕17試合を終えた時点でわずか1勝。勝率は0割6分3厘とプロ野球初となる数字が並んだ。歴史的な開幕のつまずきが大きく響いた。

チーム防御率はリーグ1位ながら、チーム打率が同ワースト。投高打低が顕著で、投手陣の奮闘を、野手陣が帳消しにしている。昨季を上回る完封負け13度目と貧打ぶりが際立つ。指揮官のラストシーズン。まだ89試合を残すが、虎は意地を見せられるか…。

 

▼阪神は今季の自力優勝の可能性が消滅した。阪神は今季残り89試合に全勝しても、最終成績は109勝33敗1分けで7割6分8厘。ヤクルトは残る阪神戦13試合に全敗しても、他球団との79試合に全勝すれば110勝32敗1分けで7割7分5厘となり、阪神を上回るため。シーズン54試合目での消滅は、00年以降では01年の67試合を大幅に更新するワースト記録となった。

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