リーグ最下位から交流戦優勝ある!? 阪神が「日本生命セ・パ交流戦」で今季2度目の5連勝と好調だ。立役者は大山悠輔内野手(27)で、3回に日本ハム吉田から13号3ラン。この3連戦で4発を放ち、敵将BIGBOSSも拍手で称賛した。交流戦で12球団最多6発の絶好調男に率いられ、チームは初優勝を狙える単独2位。開幕から最下位のリーグ戦でも5位DeNAに1差と迫った。

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打った瞬間、地鳴りのような歓声が響いた。3回に佐藤輝の右前適時打で1点を先制し、なお2死一、三塁。大山は、18年夏の甲子園で「カナノウ旋風」を巻き起こした日本ハム吉田と対決した。「1点ではなかなか流れをつかめない中、2点、3点と取ることが大事。1点でも多く援護したい気持ちで打席に入りました」。1-1から3球目、内角やや高めの直球に両腕をたたみ、最後は左腕で押し込むようにして左翼席へねじ込んだ。

初回は得点機で同じような球を強振しすぎてファウル。仕留め損ね、最後はフォークに空振り三振していた。「しっかり仕事ができてよかったのかなと思います」。好調男は同じミスをしなかった。三塁側ベンチの新庄監督も今カード4本塁打目に思わず拍手した。「うまく打ちましたけどね、大山君も。絶好調のね。インコースをたたんでバットに乗せて、クルッと回って。相手の打者の方がレベルが上だった」とたたえた。

3日連続で4万人を超えた甲子園で、3日連続ヒーローインタビューに呼ばれた。「お立ち台に立てていることは、勝っていることなのですごく良いこと。その中でチームに貢献できてよかったと思います」。6月は5試合で月間打率5割6分3厘、5本塁打、10打点。交流戦はトップの6本塁打を数える。間違いなく5連勝の立役者の1人。矢野監督は「悠輔がこの日本ハム戦ですごいホームランをいい場面でたくさん打ってくれた。今日のホームランもかなり難しいコースを見事に打っている。今後が楽しみ」と期待を寄せた。

主砲に引っ張られ、最多16あった借金は半分の8まで減った。5位DeNAに1ゲーム差と最下位脱出は目前で、交流戦は初優勝も狙えそうな勢いだ。「1打席目からしっかりできるように頑張りたい」。7日の敵地ソフトバンク戦の第1打席から背番号3に注目だ。【三宅ひとみ】

▼交流戦で阪神の打撃主要3部門での1位は2人、3度。05年今岡誠の打点(40打点)、08年金本知憲の打率(4割7厘)打点(29打点)のみ。この3部門で同時に1位は、他球団も含めて出ていない。今季の大山は、6本塁打は1位、13打点は首位と1差の3位。打率は3割6分6厘の4位ながら、首位杉本(オリックス)4割5分7厘からは離されている。残り6試合で逆転し、初の「交流戦3冠王」誕生なるか。

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