ソフトバンクが、今季初の1試合5本塁打で快勝だ。苦手だった楽天田中将大投手(33)を攻略。連敗を3で止め、交流戦明けのリーグ戦再開初戦を白星で飾った。首位楽天には0・5差に接近し、18日にもトップを奪い返す。

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打線爆発で、リーグ戦再開の初戦に快勝した。「今年は開幕から8連勝できたけど、それくらいの気持ちで」と、開幕ダッシュの再現を狙っていた藤本監督はニンマリ。「交流戦が終わって、今日からオールスターまで29試合あるんですけど、いい形でスタートが切れたんじゃないかなと思います」と、満足そうに笑った。

試合前時点で通算4勝17敗と苦手にしていた田中将に、打線が襲いかかった。まずは初回2死で、柳田が右翼テラス席へ先制8号ソロ。低め変化球に体勢を崩しながらも、右手1本でとらえた。「うまく打つことができました」。5月22日ロッテ戦以来、自身19試合ぶりの1発。交流戦で打率2割2分6厘、本塁打なしと苦しんだ主砲が、猛攻へののろしを上げた。

2点を追う3回は、1死一、二塁で牧原大が逆転4号3ラン。続くグラシアルも右翼ポール際へ3号ソロをたたき込んだ。5回にはグラシアルが2打席連続となる4号ソロで追加点。さらに柳町にも適時二塁打が出て、田中将にとってNPBワーストタイの失点となる7点目を奪った。

終盤も手を緩めず、7回に中村晃の2号2ランでダメ押し。チーム1試合5本塁打は今季初で、昨年5月29日の巨人戦以来となる大当たりだ。試合前には「ホームランが少ないんでね。つないでいかないといけない。スモールベースボールで頑張りましょう」と話していた藤本監督も「そうやって言っておいた方がいいかもわからんね。ホームランようさん出たからね」と、うれしい誤算を喜んだ。

交流戦ラストでヤクルトに喫した連敗を3で止め、対楽天の今季連敗も4でストップさせた。首位を直接たたいて、ゲーム差0・5に接近。18日にも、首位を奪い返す。【山本大地】

○…今季初登板の甲斐野が自己最速となる160キロを計測した。9回に登板し、先頭武藤の2球目に160キロをマーク。「めちゃくちゃ緊張しました。力み過ぎたが、緊張感がある中でも、上手くコントロールすることができたと思います。今季初登板にしてはできすぎです」と1回1安打3三振の投球を笑顔で振り返ったが、最速更新には「ボール球なので…納得のいくボールではありません」と喜びはなかった。

○…柳町が1軍復帰戦でいきなり2二塁打の活躍だ。8番中堅で先発し、2回の1打席目に右中間二塁打すると5回には1死一塁から再び右中間を割る適時二塁打。「打ったのはスライダー。とにかく集中して打席に入りました。高い集中力を出せた結果がタイムリーにつながったと思います」。下半身のコンディション不良で出場選手登録を抹消されていたが、大きな戦力が戻ってきた。

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