6月の第3日曜日は「父の日」。ときに厳しく、そして優しく育ててくれた父との思い出、感謝をプロ野球選手たちが語った。

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心が折れそうになる時、DeNA大田泰示外野手(32)は、少年時代に父幹裕さん(63)から受けた教えを思い出す。

「優しい父親だったんですけど、プレーする中でふてくされたり、そういう姿勢には厳しかったので、プロになった今でも心の中にあります」。

元球児だった父の影響で、小学1年からソフトボールを始めた。週末は2学年上の兄とともに付きっきりで指導を受けた。「小学生の時は、ほとんど父から野球を教わりました。野球が好きになったのは父のおかげです」と感謝する。

昨オフ、日本ハムから自由契約を通告された時も「悔いなく、野球を全うしてくれればいいから」とソッと背中を押された。悩んだ末にDeNAへの移籍を決断。「またプロ野球のユニホームを着て、父親の前でプレーできてることはすごく幸せ」とかみしめる。

今季は、地元広島のマツダスタジアムでの広島戦で2本塁打。どちらも父が観戦に訪れた中でのアーチだった。「父も野球が好きなので、もっともっと球場に連れてきてあげられるように頑張りたいです」。これからも恩返しの放物線を届ける。【久保賢吾】

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