日本ハム吉田輝星投手(21)が故郷でラストチャンスをつかんだ。先発した楽天10回戦(秋田)は5回途中2失点で2敗目を喫したが、新庄剛志監督(50)は投球内容を評価。試合後に、次回登板でも先発を任せる考えを明かした。チームは今季6度目の4連敗で借金は今季ワースト15となったが、BIGBOSSから“合格点”をもらった吉田は、大声援を送ってくれた地元のファンの期待に応えるべく、今後のさらなる成長を誓った。

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吉田は“ホーム”の声援を力に変えた。試合前から、秋田の大声援を体全身で受け止めていた。「試合前の遠投とか終わった後から、すごい声援をもらえた。久々に(気持ちが)上がって試合に入った。『よっしゃ、やってやるぞ』って」。序盤からプロで磨き続ける直球を軸に、無失点投球を続けた。ストライクを取る度に拍手が起き、アウトを取れば拍手のボリュームは上がった。

吉田 楽天のファンの人も僕がマウンドに上がる時にたくさんの声援をもらった。本当は、もう3回くらいで疲れていましたけど、体力以上のモノが出せたかなと思います。

今季、未知の領域だった5回につかまった。この日初めて先頭打者を出塁させてから、踏ん張ることができずに2失点。「死に物狂いで、あと2つのアウトを取りたかった」と悔しがった。同時に、投げ合った憧れの楽天則本のすごさも実感していた。

吉田 対戦した則本さんは、やっぱりピンチで絶対、くぐり抜けてしっかり6回投げきってっていう、ゲームメーク能力があるなと思う。こういう大事な、例えば自分だったら地元で投げる試合で力を発揮できるような先発ピッチャーに自分としてもなりたい。

そんな吉田を「ラストチャンス、先発秋田」とプレッシャーをかけて送り出した新庄監督は「5回(途中)まで投げたんだから、良かったんじゃない? 」と“合格点”を与え、次回登板も先発かと問われると「うん。(先発)って考えていますけど、あとはピッチングコーチとちょっと話しあって」と、再びチャンスを与えることを明言した。

チャンスをつかんだ吉田は「こんなに声援をもらえるとは思っていなかった。声援のおかげで、先発として力以上のものが出た。また来られる機会があれば、試合を1人で投げるくらいのピッチャーに、しっかり自分の力で勝てるようなピッチャーになって、来たい」。地元への感謝を胸に、今後もプロ野球人生を突き進む。【木下大輔】

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