阪神ドラフト1位の森木大智投手(19)が6回2安打無失点、プロ最多9奪三振の快投で、圧巻の甲子園デビューを飾った。2軍オリックスに先発。ナイターに2880人の虎党と高知から両親が駆けつけた中、自己最多100球の熱投を繰り広げた。「すごく広く感じた。バッターとの距離がすごく近く感じて、やりやすかった」と聖地のマウンドを堪能した。

初回からエンジン全開だった。先頭野口を153キロ直球で空振り三振に斬ると、渡部には自己最速タイの155キロを連発。直球を軸にカーブで緩急を操り、3回以降は3四死球を与えたが、安打を許さず。最後まで三塁を踏ませなかった。「(初回から)『真っすぐで行きます』と片山さんに伝えていたので、いいピッチングができたのかな」と手応え十分だ。

気持ちの強さもみせた。5回1死から太田への3球目、カーブがすっぽ抜け、左側頭部への死球を与え、すかさず帽子を取り頭を下げた。太田はベンチへ退き交代。直後の池田に四球を許したものの、崩れなかった。「当ててしまった時はそのボールで三振とか、打たしたりとか、そういう方がカバーができますし、自信もつく。やってしまったことに対して、それでやり返すという強い気持ちでできました」。その後もカーブを武器として使い、相手打線を寄せ付けなかった。

高知高時代は明徳義塾に何度も阻まれ、あと1歩でたどり着けなかった舞台。「ずっと目指してきたところ。今はチームが違いますけど、今まで一緒に戦ってきた仲間のことも思いながらマウンドに立てた。その思いは忘れずにこれからもやっていきたい」と感慨深げに話した。

森木は3月末に初実戦に臨み、5月上旬から先発へ。2軍公式戦は8試合に登板し、1勝2敗、防御率4・70。「今季中に1軍に上がるのがベスト。どんどん課題も出て、それを克服して、少しずつ自分の血と肉となってると思う。そこを大切にしながらやっていければ、必ず1軍で輝ける場所が来ると思う。そこを目指して、今は根気強く頑張って行きたい」と気合をにじませた。【古財稜明】

▽阪神平田2軍監督(森木について) 甲子園のマウンドを楽しんでたよ。ここで投げさせるのが楽しみで、逆算して考えていた。ファンのみなさんも将来、森木の楽しみなところが十分に見られたんじゃない?

▽阪神井上(6回に左翼線へ適時二塁打) チャンスだったので、受け身にならずに自分から攻めていこうという感じで、打席に立っていました。

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