オリックスが思い切った打線改造を成功させ、連敗を2で止めた。10安打で7得点。札幌遠征2試合で1点しか取れず、渋い顔が続いていた中嶋聡監督(53)は「停滞しているなら、変えないといけない。きょうはハマったかな」としたり顔だ。

スタメン発表で札幌ドームがどよめいた。「1番ライト杉本」。昨季本塁打王の主砲ラオウこと杉本を、17年以来5年ぶりの先頭で起用。指揮官は「どうにか勢いを出したかった。『誰が1番打って勢いが出るのか』を考えたら、積極的にラオウが行くのが1番なのかなと」と明かした。

期待通り、杉本はプレーボール初球を強振。「1打席目(一邪飛で)ダメだったですけどね。2打席目(カウント3-0から捕飛で)ダメだったですけどね!」。中嶋監督はそんな愛のムチも入れつつ、「よーいどんの初球に振っていける準備をしてくれたのは良い」と納得の表情。波及効果はいきなり初回に表れた。

今季初の3番に入った安達が、1死二塁で杉浦から右翼へ先制二塁打。中川、マッカーシーも続いて3本のタイムリーを集中した。初回の3点先取は今季初めて。指揮官も「めったになかったんでね」としてやったりだ。

安達は7回2死満塁でも2点差に広げる適時打を放った。左膝を痛めている影響で、1日の日本ハム戦は3回の守備で交代。指揮官は「(カード初戦で)あんなに早く代わったもんですからね。そろそろ仕事してもらわないと。強制的にあそこ(3番)に入れた」と笑った。ここ7試合で24打数1安打と沈んでいたラオウも1番で積極的に振った結果、4、5打席目に2安打をマーク。一気の復調モードで打線改造は大当たりだ。

新庄日本ハムは、足を使った奇策連発で揺さぶってきたが、昨季のパ王者も奇策で押し返した。借金3ながら首位ソフトバンクとは7ゲーム差で、3位西武とは2・5ゲーム差。残り66試合。7月反攻でまだまだ上を狙う。【真柴健】

 

○…中嶋監督が3回2死一、三塁で本盗を許した山崎福也投手に反省を求めた。わざところんだ一塁走者の石井を一、二塁間で挟む間に三塁走者の松本剛に生還された。「キャンプから(練習を)やってきたプレーなんでね。簡単にだまされると、ちょっとどうなの? って思う」。BIGBOSSの奇襲にハマった左腕を4回途中2失点で代え、「(重盗対策などが)ピリっとしない理由なのかな」と嘆いた。

▽オリックス安達(野手最年長の34歳が、今季初の3番で先制打を含む2安打2打点)「いつもと変わらず、つなぐ意識で。勝つことだけを意識した。チャンスで打てて良かった」

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