シンデレラボーイ!! ヤクルト小沢怜史投手(24)が5回8安打3失点でプロ初先発初勝利を挙げ、優勝マジックを2つ減らして「51」とした。6月26日に支配下登録され同日巨人戦で1軍デビューしたばかりの横手投げ右腕。大量援護にも助けられ、54年8~10月の南海以来となる14カード連続の勝ち越しも決めた。

勝利投手の権利のかかった5回。2点を返され、なお2死二塁のピンチ。ソトを外角低めスライダーで空振り三振に仕留めると、グラブをポンポンと2度たたいて静かに喜んだ。初めての本拠地お立ち台に上がると「とてもうれしくてほっとしてます」と振り返った。右手につかんだウイニングボールは観戦に訪れていた両親に渡すという。「ここまで7年かかりましたが、もっともっと活躍できるように頑張るので。これからも応援よろしくお願いします」と感謝を示した。

今季2軍では2回が最長で、抑えとして8セーブを挙げた。だが2番手で登板した前回の巨人戦では4回58球、3安打6奪三振2失点の力投。高津監督は「ちょっと長いイニングを見たいと。(4回2死二塁で)岡本をショートゴロに取ったときに先発させようと決めて、あの球数まで投げさせた」。外角低めのスライダーで引っかけさせた1球で、急きょ先発起用を決めたという。自らつかんだ大きなチャンスをものにした右腕は「今日は野手のみなさんに勝たせてもらった勝利。次こそはチームのために2勝目できるように頑張ります」とさらなる飛躍を誓った。【鈴木正章】

○…中村悠平捕手が今季2度目の1試合2本塁打を放ち、攻守で先発小沢を支えた。1回に3点を先制し、なお1死一塁から3号2ランを放ち「完璧です」と自画自賛。5点リードの6回1死一塁でも4号2ランを放ってリードを広げ「今日の中継解説は真中(満)さんだと思います。『真中さん完璧です』」とテレビ解説を務めた元監督の名前を挙げて喜んだ。

▽ヤクルト山田(1回に先制適時打) 小沢に先制点をプレゼントしたかった。1、2番がいい形で出塁してくれたので。

▽ヤクルト青木(4回に4号ソロ) 小沢に1点でも多く援護してあげたい。その気持ちでした。

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