ソフトバンクが4年ぶりの青森開催で快勝。コロナ禍による活動休止から再始動後、3連勝を決めた。

殊勲打は柳田悠岐外野手(33)だ。3回に決勝打となる先制2点適時打。2位楽天に今季最大となる3・5差をつけた。前回の青森でも決勝打を放った「青森男」。1カ月後に控えた「ねぷたまつり」へ機運が高まる本州最北端をバットで盛り上げた。

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ソフトバンクが4年ぶりに足を踏み入れた青森。東北新幹線の停車駅、新青森駅には県内各地の祭りをイメージしたねぷたが飾られるなど、8月の祭りへ機運を高めている。1カ月前となるこの日、鷹の「青森男」が前祝いとばかりに躍動した。

初回は2死三塁の好機で凡退していた柳田は、鬱憤(うっぷん)を晴らすように、次打席にぶつけた。3回2死満塁で鮮やかに中前打。これが先制で決勝の2点適時打となった。「コンパクトなスイングでしっかり捉えることができました」。3番牧原大が満塁機で倒れた直後の一打。藤本監督も「ああいうところのカバーができたら、チームは強いよね。牧原が打てない後に柳田が2死からのタイムリーというのはすごく大きい」とたたえた。

青森でチームは前回18年に続く2連勝。前回も試合を決めたのは柳田だった。3回に決勝となる先制打を放ち、3打数3安打と大活躍を見せていた。今年もチーム宿舎では青森らしく、りんご100%ジュースやリンゴカレーが用意されたという。弘前では他にも、いかげそと野菜に小麦粉を混ぜ、油で焼き揚げる名物「いがめんち」や名産品のホタテなどが有名だ。寿司などの魚介類を堪能した選手もいた。18年には「郷土料理を食べました」と話し、ご当地パワーを得ていた柳田は「ここ弘前では前回も3安打してるということもあり、いいイメージで試合に入ることができました」と感謝した。

チームは6月末から新型コロナウイルスの陽性者が多発。苦しいチーム状況ながら、活動休止からの再開後は3連勝と踏ん張っている。その中心にいるのが柳田だ。再開した2日西武戦から今季初の4番に入りチームをけん引。「離脱者が多い中、チーム一丸となって戦うことができている」。頼もしき主砲の活躍で、2位楽天に今季最大3・5差をつけた。【山本大地】

○…5番柳町も2点適時三塁打で気を吐いた。3回、柳田の先制2点打の直後。2死一、二塁から中堅越えに快音を響かせた。「先制して流れも良かったので、積極的に自分のスイングを仕掛けていくことができました。追い込まれてしまいましたが、うまくコンタクトすることができたと思います」。9試合ぶり、5番での初打点。柳田に負けじと「ギーマ」も存在感を見せた。

○…先発マスクの渡辺が好守に活躍した。大関とは今季4度目のバッテリーで6回2失点の粘投を引き出し、自慢の打撃では4回にダメ押しとも言える3号2ランを右越えに運んだ。「自分が(先発マスクで)負けるのが一番イヤだった。ホームランはうれしいですが、チームの勝ちに貢献できたことが一番うれしい」。ヒーローインタビューではホッとした様子で笑顔を見せた。