阪神佐藤輝明内野手(23)が視察に訪れた侍ジャパン栗山英樹監督(61)の前で、来春のWBCメンバー入りを強烈にアピールした。

記者席最前列から栗山監督が見つめる中、2回の第1打席では広島アンダーソンの高めカットボールをとらえ、中堅右を破る二塁打。いきなり長打力をアピールした。「楽しみな選手であるのは間違いない」と話す栗山監督が評価したのは、4回の第2打席だった。ファウル3本を打ち、8球粘って四球を選んだ。「相手の術中にはまらない狙い方、打ち方ができている。こっちが見たいのは、状態が悪い時にどうやってチームに貢献する形をつくれるか。合わない時に四球を取れたりもすごく重要」と、ほめた。代表に選ばれた時期に不調な場合でも、つないでチームに貢献できる打者でないと、侍のレギュラーは務まらない。

佐藤輝の一番の魅力はもちろん長打力だ。「そういう何人かのひとり」と栗山構想では長距離打者枠の候補に入っている。「ここから成長曲線をつくれる世代。将来、日本の中心になるのも分かっている」と、伸びしろも期待している。コロナ禍で中止になった3月の台湾代表との強化試合でも28人のメンバー入りしていた。この日は右翼の守備で2度難しい打球をスライディングキャッチ。昨季まで阪神で指導していた清水外野守備・走塁コーチにも、守れるところを見せた。三塁と外野を守れる万能さも、代表では重宝される。

佐藤輝はこれまでも「侍ジャパンに選ばれたい。選ばれるように結果を出したい」と、日の丸をつけることに意欲を見せている。栗山監督は「昨年の経験が生きている感じがする」と、成長を感じている。2年目の今季、後半も失速せずに打ち続ければ、世界の野球と戦う舞台をつかめるはずだ。【石橋隆雄】

○…ロハスが秘打? でつないだ。5回2死から梅野が右前打で出塁し、桐敷の代打で出場。その2球目だった。広島アンダーソンの内角高め直球に顔をそむけながらスイングを止めたが、バットにボールは当たり左前にポトリ。驚きながらも全力で一塁まで走ったロハスにベンチの桐敷も笑顔で手をたたいて喜んだ。助っ人は6日の広島戦でも代打で四球を選ぶなど、3試合連続で出塁している。

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