広島秋山翔吾外野手(34)が、日本復帰戦で2安打の新天地デビューを果たし、敗れたチームの希望の光となった。

19年のCSファイナルステージ以来、999日ぶりの1軍戦。「3番左翼」で移籍後初出場すると、3回2死一、二塁から中日松葉の3球目真っすぐをたたいて中前打。移籍後初安打は適時打となり、初打点もマーク。さらに6回は初球カーブを引っ張り、マルチ安打の好発進。シーズン最多216安打の記録を持つヒットマンに、ブランクは関係なかった。

「打席に向かうときはやっぱり独特の緊張感がありました。1打席目の内容も含めて、ちょっと窮屈に。視野が狭まったような感覚になりました。2打席目以降はしっかりやらないとなと。結果的に2本出ましたけど、次は勝てるところで、また打ちたい」

数々の大舞台を経験してきた実力者でも新天地初戦は特別だった。1回の第1打席は2球見逃して、3球目を空振りして三振。2打席目の安打で視界がひらけた。「全然違いますね。ちょっと球場の見え方が変わりましたね」。復帰戦4打席でスイングは4度。2本の安打をもぎとった。獲物を逃さない反応、技術は健在だ。

6月上旬に新型コロナウイルスに感染し、実戦復帰を果たせないまま15日(日本時間16日)に退団となった。実戦ブランクがある中、1軍練習参加をへて2軍戦に出場。「短い期間ですけど、体の準備もそうですし、カープというチームも知れたので、すごくプラスになった」。4試合で打率4割1分7厘と、力を示した上で1軍に合流した。

6回はA・マルティネスの左中間への大飛球を一直線に追って好捕するなど、左翼の守備でも存在感を示した。佐々岡監督は「やっぱりさすがの守備、打撃をしてくれた。打線として楽しみなところ」とあらためて大きな期待を口にした。【前原淳】

○…先発大瀬良が3回7失点で降板し、5敗目を喫した。1回に先制を許すと、2回は大島、岡林に連続適時打を浴びた。1点差に迫った3回も立ち直れず、投手松葉の右前適時打など4安打を浴びて3失点。毎回先頭打者の出塁を許し、今季最短KOとなった。「見ての通り。思うようにコントロールできなかった部分もありますし。残念な投球になってしまった」。早期降板に奥歯をかみしめた。

▽広島坂倉(4打数無安打で連続安打が21試合でストップ)「チームが負けてしまって、こういう試合で打てなかったことを反省して、また1試合1試合頑張ります」

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