阪神新外国人のアデルリン・ロドリゲス内野手(30=パドレス3A)が攻守の大活躍で、4日ぶりの3位浮上に大貢献した。7番一塁で初スタメン。8回にリードを2点に広げるデビュー2試合連続のタイムリーを放ち、守っても4回に一塁線への打球を好捕し、ユニホームを真っ黒にしてアウトにした。最大16あった借金はついに開幕戦で敗れて以来の1に。24日の前半最終戦にミラクル5割&Aクラスターンをかける。

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ロドリゲスが一塁ベースを回って大きく両手をたたいた。連勝をグッと引き寄せるデビューから2試合連続タイムリーだ。拍手がしばらく鳴りやまない。タテジマ2戦目。甲子園のファンは、すっかり心をわしづかみにされた。

「(スタメンに)9人選ばれている選手は、勝つためにプレーしている。僕もその中の1人。自分の仕事ができたのはよかった」

1点リードの8回1死一、三塁。右腕平田の内角球に詰まってもパワーで押し込んだ。1点差と2点差で9回を迎えるのでは大違いだけに千金の一撃だ。「願わくば毎試合ホームランを打ちたいけど…」。そこまで言うと、大切にしているスピリットを語り始めた。

「今日のようにチームが勝つことができて、自分の仕事ができれば、それが一番。自分がホームランを打てなくても勝ち続けてくれれば、それが一番だよ」

フォア・ザ・チームの精神は守備にも宿る。4回先頭、桑原の打席。一塁線へのハーフライナーに飛びつき、ショートバウンドで好捕。左半身を真っ黒にしてアウトをつかみ取った。抜けていれば長打の可能性もあっただけに、これも大きなプレーだった。「7番一塁」で阪神初スタメン。アグレッシブに初のフル出場も果たしたが、疲れを問われて軽く首を横に振った。

「疲れるべきだと思う。疲れていないということは、全力を出し切れていないということ。僕も全力を出し切って、毎試合毎試合、疲れ切ることを心掛けてやっているよ」

4回の左前打と合わせて2安打1打点。2戦で5打数3安打、打率6割の大当たりだ。矢野監督も「守備も走塁も結構しっかりやる。総合的にすごくいいんじゃないかな」と惜しみなくたたえた。。

DeNAに連勝し、最大16あった借金も開幕戦で敗れて以来の1まできた。4日ぶりに3位にも再浮上。24日に勝てば、開幕時の負けっぷりからは想像できない5割ターンが決まる。指揮官は力強く言った。

「何が何でも、という気持ちでね、明日も取りにいく。5割でターンできるようにしていくっていう強い気持ちでやっていきます」

背番号91の新助っ人が、神風を吹き込む予感は十分。有言実行の借金完済で前半戦を締める。【中野椋】

◆アデルリン・ロドリゲス 1991年11月18日、ドミニカ共和国生まれ。セントロ・エデュカティボ・ロス・パルマレス高を経て、08年にメッツと契約。マリナーズ、オリオールズ、パドレスなどのマイナーを経て20年はオリックスでプレー。21年はタイガース、今季はパドレスのマイナーに所属。マイナー通算1219試合に出場、1253安打、215本塁打、839打点、打率2割7分1厘。192センチ、95キロ。右投げ右打ち。

○…ロドリゲスが一塁で先発したため、5番大山は5月25日の楽天戦(甲子園)以来、約2カ月ぶりの左翼でのスタメン出場となった。1回1死一、二塁のチャンスは今永の前に右飛に倒れたが、その後の3打席は3四球を選んで出塁。8回の打席では1死から四球を選び、ロドリゲスのタイムリーを呼び込んだ。左翼守備も無難にこなすなど、渋い働きで勝利に貢献した。

○…佐藤輝が好守備で同期入団の先発伊藤将をもり立てた。4回表2死、DeNA牧の右翼ファウルゾーンのフェンス際への飛球にグラブを伸ばしてキャッチ。直後、フェンスに軽くぶつかるもボールは離さなかった。打撃では3回に中前打を放ち、5試合連続安打。第1打席は四球、第4打席は一直と内容も上々で、24日は前半戦を締めくくる本塁打に期待がかかる。

▼阪神は45勝46敗2分けとなり、DeNAを抜いて19日以来の3位に浮上。24日DeNA戦に勝てば前半戦5割ターンとなる。球宴を5割以上で迎えれば、昨年の勝率5割9分3厘に続き2年連続。

▼24日に△以上なら、3位以上が確定し、阪神○で広島●なら2位タイとなる。前半戦をAクラスで折り返せば、17年から5シーズン連続(20年は球宴なし)。

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