きつねダンスだけじゃない! 楽天の公式チアリーディングチーム「東北ゴールデンエンジェルス」は自分たちで考え、実践し、球場を盛り上げている。他球団はディレクターやコーチに振り付けや演出の指導を受けることが多いが、エンジェルスには指導者がいない。メンバー自身が振り付けやフォーメーションをつくる。大本を考えているのはリーダーのMIKUとHOZUMI。「一からです。大変です」と、笑いながら声をそろえた。

今季から始まったパフォーマンスがある。チームが勝ったときにグラウンドで行われる「ビクトリーセレモニー」だ。ナイターでは球場の照明が消され、メンバーたちは光るポンポンを使って踊る。HOZUMIは「業者の方と、どう光らせたいとか、こういうフォーメーションでというのを相談して」。ポンポンはプログラミングされて光るため、メンバーの位置取りが少しでもズレたり、間違ったりすると目立ってしまうという。

1度枠組みを決めても、レッスンの中でさらに試行錯誤を続ける。いかに映えるかを研究し、計算し尽くしたパフォーマンスを追い求める。野球のプレー以外の魅力が楽天生命パークにはある。

日本ハムの「きつねダンス」は全国的なブームになった。リーダーのMIKUは「エンターテインメントであれだけ日本中に知れ渡っている。他球団ながら、パフォーマーとして尊敬するなという感じ」と敬意を示すが、それでも自分たちにはビクトリーセレモニーがある。HOZUMIも「イーグルスに興味を持ったりとか、あまり応援したことがない方もきっかけに。日本ハムさんだったらきつねダンスから、エンジェルスだったら光るポンポンみたいな感じで。応援に来てくれたら」と力を込めた。

せっかく球場に観戦に来たのなら-。リーダーのMIKUは「野球がメインではあるんですけど、試合に勝ったからこそ見られるパフォーマンスということで、ここに来ないと生で見られないパフォーマンスなので、野球ももちろんですけど、ここでしか味わえない空気感だったり、エンターテインメントというところも楽しんでいただきたいなと」と思い描く。試合終了後、すぐに帰るのはもったいない。勝利の余韻に浸りながら、幻想的なパフォーマンスに魅了されるのも、1つの楽しみだ。【楽天担当=湯本勝大】

 

◆東北ゴールデンエンジェルス 楽天の公式チアリーディングチーム。今季は昨年12月にメンバーオーディション最終審査を行い、新人7人と11人の既存メンバーの合計18人で構成されている。キャプテンはMIKU。球場でのパフォーマンスの他、球団の「フレンドシップジャーニー」として、東北各地の幼稚園や保育園、保育所、こども園などを訪問。クイズやイーグルぐるぐる体操などで子どもたちとふれあっている。

 

【写真特集】楽天「東北ゴールデンエンジェルス」幻想的なセレモニー/12球団踊る勝利の女神