スタンドを埋めた鷹ファンのため息が止まらない。4回、ソフトバンク先発和田毅投手が先頭杉本を空振り三振に切ってから悪夢は始まった。

宗の中前打と紅林の右翼線適時二塁打で先制を許すと、3者連続して初球を狙い打たれて追加点を献上。さらに1死満塁から1番福田に右翼越えの2点二塁打。文字通りつるべ打ちの6連続安打。ここでベンチはベテラン左腕の降板を決断した。「今日は自分の中で調子が良くないのは分かっていたので、何とか修正しながら投げていこうと思いましたが、できませんでした。連打、連打で相手を勢いづかせてしまい、試合を壊してしまった」。56球のKO劇に和田はベンチで何度も首をかしげた。2番手椎野も中川圭に2点適時打を許し、打者12人の猛攻を浴び7失点。勝負は決まった。

前日(13日)は、周東が9回裏にサヨナラ弾。勢いに乗ってカード勝ち越しの目算もはかなく消えた。終わってみれば2-10の大敗。対オリックスはこれで4カード連続負け越しとなった。「7点は重たいね」。試合後、会見場に姿を見せた藤本監督も意気消沈だ。描いたゲームプランは先発和田が5回を投げ、継投策での勝利…。4回の7失点に加え、続く5回にも椎野が3失点。指揮官の予想をはるかに超える大量失点。タクトの振りようもなかった。2三振の4番柳田も5回終了で途中交代。「大敗しても負けは負けだし、3連敗しているわけじゃないから取り返せる。西武戦は何とか勝ち越して終わります」。16日からは首位西武と敵地・所沢で首位攻防となる3連戦。藤本監督は自らに言い聞かせるように気持ちを切り替えていた。【佐竹英治】

○…大敗の中、今宮健太内野手が3戦ぶりの3号ソロで気を吐いた。8回1死から近藤の148キロの直球をうまく腕をたたみながら左翼ポール際のスタンドに運んだ。「自分のスイングを心掛けた。内角球に体が反応してホームランになった。どんな状況でも集中できた結果だと思う」。この日はこの1発だけだったが、打撃は好調で4戦連続の安打&打点をマーク。首位西武との3連戦に向けても「勝てるように向かっていきたい」と気を引き締めた。

▽ソフトバンク田中正(今季初登板で1イニングを3人で抑え) かなり出遅れてしまい、今日までチームの力になれなかった。これから後半戦、チームの優勝争いに少しでも貢献できるように、全力で腕を振りたいです。

▽ソフトバンク・デスパイネ(6回、適時打となった三塁内野安打に) どんな状況でもチームのために役割を果たすだけ。

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧