無双青柳先陣で何が何でも3連勝だ! 6連敗で4位に後退した阪神は、16日から10ゲーム差で追う首位ヤクルトと3連戦を戦う。

残り34試合で、1敗でもすれば9差にしか縮まらない。ミラクルVには、3連勝で7差に迫ることが求められるラストチャンス的な重要局面だ。先発先陣の青柳晃洋投手(28)は今季4度連敗を止めた連敗ストッパーで神宮は2試合連続完封中。自身10連勝&両リーグ最多13勝の華々しい快投で、チームを勢いづける。

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青柳が勝利への執念をにじませた。「どんな形でも勝ちたい」。先週はDeNAと中日相手にまさかの6連敗。首位ヤクルトに10ゲーム離された。残り34試合。今回の神宮3連戦で2勝1敗なら1ゲームしか縮まらない。だが、3連勝なら7ゲーム差で希望をつなげる。1つも落とせない敵地3連戦の先陣。甲子園の室内練習場で大量の汗をかきながら、終始引き締まった表情で、キャッチボール、ダッシュなどで備えた。

「本当に今、チームもよくないですし。僕に勝ちが付くとかどうこうじゃなくて、チームが勝ちたいなという気持ちがある。何とかチームが勝つ可能性のあるピッチングができたら」

今季は幾度も窮地を救ってきた。開幕9連敗のあと、再び地獄にはまった連敗を6で止めるなど、4度、チームの連敗を止めてきた。そして今回、ミラクルVには3連勝しかない大事な1戦目で、全ての悪い流れを断ち切る快投を託された。「メディアにも散々たたかれていますけど…」。そう苦笑いしながら「勝てるように頑張りたいと思います」と気合を入れた。

神宮では無双を続ける得意のマウンドだ。20年から5連勝中で、今季は2試合連続完封。甲子園以外の同一球場で3試合連続完封すれば、球団史上初の快挙になる。それでも「印象は良いと思いますけど、多分ヤクルトも変わってくると思いますし、そう簡単にはうまくいかない」と慢心はない。

両リーグトップの12勝を誇るが、進化は止めない。12日に京セラドーム大阪で中日戦の試合前練習を終えた時のこと。4試合連続で6回で降板している反省も踏まえ、一、二塁間の後方で矢野監督と約20分にわたり、言葉を交わした。「僕自身が最近のピッチングに行きづまってるとこがあったので、長年やっていたキャッチャーとしての意見を求めに行きました」。粘る打者に対して、球数を要さずに抑える方法など、「いろいろヒントはいただけた」と新たな力を得た。

勝てば03年井川慶以来、右腕では68年村山実以来の10連勝を達成する。エースとして、連敗ストッパーとして、「勝利」で虎に流れを呼び戻す。【古財稜明】

▼今季の青柳は神宮でのヤクルト戦に4月22日、7月8日の2試合登板し、いずれも完封勝利を挙げている。阪神の投手が同一球場で年間3完封以上すれば、藤浪が15年に甲子園で4完封して以来。単一の他球場で3完封以上となると、62年に小山正明が後楽園で3完封(5月17日巨人戦、7月11日国鉄戦、9月16日国鉄戦)して以来、60年ぶり。ビジター球場で3試合連続完封なら、52年のフランチャイズ制確立以降では球団初の快挙になる。

 

○…17日ヤクルト戦に先発予定の伊藤将が、セ界制覇を狙う。今季初対戦で、昨季は2試合に登板し、0勝1敗だった。すでにセ・リーグ4球団から勝利を挙げている左腕は「意識せずに投げたい」と気合十分。前回10日のDeNA戦で2カ月ぶりの黒星を喫し、自身の連勝も7でストップした。「チームも連敗していますし、そこをしっかり止められたら」と力を込めた。

○…19日からの巨人3連戦(東京ドーム)は、西勇、藤浪、才木で挑む見込みだ。14日の中日戦で5回4失点(自責2)と精彩を欠いたガンケルがこの日出場登録を抹消され、先発ローテが再編された。金村投手コーチは「(ガンケルは)ずっとよかったんですけど、この2試合の内容を見てちょっと(間隔を)空けてあげてもいいのかなというところで」と説明した。

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