左膝の骨折で戦線離脱していた日本ハム松本剛外野手(29)が、楽天17回戦(札幌ドーム)で28日ぶりに1軍に復帰した。3打数無安打1犠打と快音を響かせることは出来なかったが、パ・リーグ打率1位を走る背番号12は、自身初のタイトル獲得へ再スタート。BIGBOSSも全面協力で、球団史上5人目の首位打者誕生を後押しする。チームは1-2で競り負け、楽天戦は3連敗となった。

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28日ぶりの1軍の舞台は、ほろ苦かった。左膝の故障で戦列を離れていた松本剛は、本拠地に響く万雷の拍手に「すごくありがたい」と感慨を込めた。「2番DH」で先発出場し、3打数無安打1犠打。打率3割5分2厘と、復帰前から3厘下げたが、それでもリーグ断トツの状況は変わらない。

7月19日オリックス戦(京セラドーム大阪)で左膝に自打球を受け骨折。少しでも回復を早めようと、電気治療を受けるため毎日、横浜に通った。走る方は7割ほどの状態で、スライディングにも不安が残る。それでも首位打者獲得へ、少しでも有利になるようにという新庄監督の配慮もあって、万全の状態に戻る前に戦列復帰した。6回先頭では、通常なら内野安打になってもおかしくないゴロを遊撃に打ったが「セーフだなと思っちゃったので(力を)セーブしながら…」と走塁を緩めた結果、アウトに。「今日はランナーがいたら、全てバントのつもりでいた」というBIGBOSSは「怖かったのは遊ゴロ。『走るなっ!』って言いました。あれで、いいんですよ」と、言いつけ通り無理を避けた松本剛の走塁に、ひと安心だった。

8回の第4打席は、1死一塁からきっちり犠打を決めて2死二塁とチャンスメーク。松本剛は「我慢しつつも、やっぱり打席に立って打てなかったら悔しいし、イライラする。スタメンで出られない選手がたくさんいる中で、万全じゃない僕を使ってもらっているので、結果で示したい」と言った。球団史上5人目となる首位打者への挑戦が、再び始まった。【中島宙恵】

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