阪神の西純矢投手(20)の「二刀流」に注目だ。神宮では今季、5月18日ヤクルト戦で先発登板。2回の第1打席で、高橋からプロ1号本塁打を放った。

もし西純が今季2本目の本塁打を放つと、阪神の投手としてはゲイルが86年に5月28日巨人戦(甲子園)と6月27日ヤクルト戦(神宮)と2本塁打して以来、36年ぶり。

日本人投手では山本和行が81年に5月27日ヤクルト戦、6月23日広島戦、7月19日中日戦(いずれも甲子園)と3本塁打して以来、41年ぶりとなる。

西純の神宮での登板は、本塁打を記録した前回に続き今季2度目。阪神の投手が甲子園以外の球場で同一シーズンに複数本塁打なら、65年バッキーが後楽園で2本塁打して以来。もっともバッキーはこの年5月2日の巨人戦で1試合2発を放っていた。

「阪神の投手が、同一年に甲子園以外で複数試合に本塁打」となると、藤村隆男が51年に後楽園で6月24日、9月16日といずれも巨人戦で本塁打を放ったのが最後だ。西純が神宮で今季2本目をかっ飛ばせば、実に球団71年ぶりの快挙となる。

前回の神宮では、打力を買われ異例の「8番打者」として先発。見事に期待に応え、自らも完投勝利を挙げた。前述した藤村隆の51年は、サンフランシスコ講和条約が結ばれ日本が第2次大戦から国際社会に復帰した年である。阪神も8連敗から白星街道への“復帰”はなるか。西純の二刀流に、起爆剤の期待大だ。

【記録室 高野勲】(スカイA「虎ヲタ」出演中。今年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)