巨人がようやく、トンネルを抜けた。9日ぶりの勝利。ほっとした表情が、一塁側ベンチに広がった。

エース菅野智之投手が8回2安打無失点に抑え、4番中田翔内野手が先制打&通算1000打点目となる適時打。原辰徳監督(64)は「制球力が良かったし、ボールも走ってました。いいピッチングをしたと思いますね。(中田は)非常にいいコンディションで集中力もあるし、プレーそのものも中田らしいというか、そういうものが出てきていると思います」とうなずいた。

 

▽打線が沈黙を打破

連敗中は6試合9得点だった打線がつながった。初回に2死からクリーンアップが3連打で2点を先制。5回には1番吉川尚輝内野手と中田の適時打で中押しに成功。7回には丸佳浩外野手の24号2ランでダメ押し。「点の取り方も非常に良かったと思いますしね、なかなかつながりという点がなかったんですけど、今日は非常に良かったと思いますね」と、効果的に得点を重ねた。

 

▽坂本にも復活の兆し

直近5試合で打率1割3分3厘で、完全復活が待たれるキャプテンにも光が差し込んだ。14年4月13日以来の「7番」スタメンの坂本勇人内野手が、8回に13打席ぶりの安打を放った。「本来なら4番でも3番でも打ってもらいたいところですけどね、やっぱりまだ本調子にはほど遠いというところで7番というところですね」と下位に据え、兆しを見せた。

 

▽井上が偉業達成に向けてプロ初先発

最下位中日とは2・5差に広げ、順位も4位と1つ上げた。24日は井上がプロ初先発。勝利を手にすれば、堀田、戸田、赤星、大勢、平内、山崎伊、直江に続き、1シーズンの初勝利8人のプロ野球最多記録達成となる。原監督も「けれん味のない、先輩たちがだらしないのが多いので、そういう意味では思い切っていってほしいと思いますね」とジョーク交じりで期待を込めた。エースと主砲が作った反撃の機運を、若武者が快挙でつなげるか。

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