最強ルーキーが突き進む。巨人の守護神・大勢投手(23)が史上4人目となる、新人での30セーブを達成した。1点リードの9回、いつも通りヒリヒリする場面で呼ばれた。まだセーブ失敗は1度だけ。しかし、先頭の広島松山に3ボールから内野安打とらしくない。大城が二盗を刺して1死後も、大盛に二塁打を浴びてピンチは続いた。

それでも動じない。代打長野を152キロ直球で空振り三振。西川をフォークで二ゴロに仕留め、試合を締めた。30度目の幕切れの感触。「緊張感やプレッシャーはあるけど、そこで結果を出さないといけないのがこの世界だと思う」とやりがいを見いだして、積み重ねてきた。

他競技のスターからも刺激を受ける。6月19日の東京ドーム。日本中が注目した世紀の一戦があった。最強の男2人が殴り合う。「THE MATCH 2022」で行われた那須川天心対武尊。超満員の5万6399人が生観戦した究極の勝負に、大勢も目を奪われた。敵地中日戦を終えて新幹線で帰京後、スマホで観戦。「見る前からワクワクしますし、ああいうアスリートになりたい」と触発された。

大勢自身も球史に名を残す最強の存在へ。新人歴代最多の37セーブも視野に入る。残り25試合。「結果的にできたらなと。記録を塗り替えられていくのがスポーツの醍醐味(だいごみ)だと思う。誰もが納得するような37セーブを迎えられたら」と言った。重圧もある。うまくいかないときもある。でも目指す先があるから強くなれる。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(大勢について) 常に、いい精神状態で放っていますね。みんながマークしているわけですから、これからさらに厳しい戦いにはなると思います。それでも堂々と立ち向かっている、挑戦している姿は非常にいいと思います。

▽巨人桑田投手チーフコーチ(大勢について) 彼の努力と、原監督も何度も3連投させたい場面があったと思うんですけど我慢してくれてね。大勢の1年間通して投げるという目標を後押ししてくれたおかげ。やられてもまた起き上がれるだけの精神力もあると思う。1つでも多くセーブを挙げられるように、これからも頑張ってもらいたい。

▽巨人小林(10日の中日戦以来の先発マスク。7回先頭で3カ月ぶり、41打席ぶりの安打を放って決勝点を演出) 勝ち越し点につながるヒットになって良かったです。

▽巨人若林(1回2死満塁、右手血行障害改善手術前の4月29日阪神戦以来の打点となる走者一掃の適時二塁打。29歳の誕生日に花を添える) 追い込まれていたので三振だけはしないようにと思っていた。少し詰まっていたけどレフトの頭を越えてくれて良かった。

【関連記事】巨人ニュース一覧