大台リーチ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、3戦連発となる49号ソロを放ち、日本選手としては02年松井秀喜(巨人)以来となるシーズン50発に王手をかけた。

4-4の7回先頭、DeNAエスコバーから右中間席中段に突き刺した。4ゲーム差で迎えた2位DeNAとの直接対決3連戦で11打数9安打4本塁打9打点の大暴れ。チームを3連勝に導き、ゲーム差を「7」に拡大した。9打数連続安打と14打席連続出塁も継続中。「村神様」の進撃が止まらない。

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2万4277人のベイ党と燕ファンの悲鳴と歓声が交錯した。4-4の同点に追い付かれた直後の7回先頭。ここまで3打席連続四球で迎えた第4打席で、村上が衝撃の1発を放った。DeNAエスコバーに対し、フルカウントからの8球目、内角低め154キロ真っすぐをジャストミート。打った瞬間それと分かる打球が、ライナーで右中間席中段に飛び込んだ。

打席でいったんしゃがみ込んで打球を確認。「自分でもビックリして。『お、ホームランだ』という感じで。なんか恥ずかしいですね」。行方を見届けると、両手をポンとたたき、いつものように悠然とダイヤモンドを回った。ベンチ前でサンタナと「ロータッチ」を交わして喜び合い、「なんとかしたかった。気持ちだけで打ちました。ホームランになってくれてよかったです」とうなずいた。

同じ「55」番を背負った偉大な左打者、松井氏の50号にあと1本に迫ったことには「それは打ってから考えたいと思います」としながらも「すごく世界的に活躍された方。同じ背番号でこうしてプレー出来ることはうれしいことです」と言った。

さらに記録への行進は止まらない。9回先頭の第5打席ではDeNAの守護神山崎から中前にクリーンヒット。26日同戦の第2打席で空振り三振を喫して以降、9打数連続安打と14打席連続出塁を継続する。出塁記録でも日本記録にあと1に接近。安打やアーチだけではない。この日3つ選んだ四球には「フォアボールも自分の中で、すごく価値のある打席になっている」と言う。

次々と伸ばしていく記録については、お立ち台で「あんまりプレッシャーかけないでほしいですけど。ほんとに集中して打席がおくれています」と苦笑い。これで116試合消化時点で49本塁打。本塁打のペースもシーズン換算60本となり、13年バレンティンの日本記録も視野に入る。昨年の39本塁打から、一気に数字を伸ばしていく22歳は、「去年よりは確実にどの部分も成長しています。壁を越えたというのはないですね。出来る限り打ちたいなと努力して試合に挑んでいる結果が、こうしていい結果になっていると思います」。あくまで冷静にチームのための1本を積み重ねていく。【鈴木正章】