DeNA三浦大輔監督(48)が、試合の舞台裏や自身の思いなどを語る「月刊ハマの番長」。第6回は、猛チャージをかける8月の戦いぶりとともに、前カードのヤクルト3連戦の振り返り、チーム内の変化、ベンチの雰囲気や勝負の9月に向けた決意を語った。【取材・構成=久保賢吾】

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-首位ヤクルトに3連敗し7ゲーム差に開いたが、残り32試合で直接対決は6試合

負けましたけど、心は折れてないぞと。今こそ、反撃だと。まだまだ、食らいついていくぞ、ってところは見せたい。倒れても、倒れても、起き上がるんだと。7ゲームに離されて、終わりか? あきらめるのか? ってところで、いやいや、もう1回奮い立って、やっていこうよと。

-村上には3試合で9安打9打点、計4発を浴びた

無理に勝負せずに歩かせることもして、勝負にいったところでも打ち返された。まれに見るというか、ここまで絶好調な選手は久しぶりに見たなと。自分が知る中では松井秀喜以来ですかね。彼に匹敵するくらいの。ただ、これで対戦が終わりじゃないですし、もう1回対策を練り直して、この負けを無駄にしないようにしたい。

-8月は、ここまで16勝6敗。17日巨人戦での楠本のセーフティースクイズなど、監督自身が積極的に動く姿も見える

監督がどうこうよりも、選手ができるようになってきたからだと思います。序盤はエンドランとか失敗も多かったですけど、コーチに「成功率を上げるようにしてほしい」と伝えて、普段から意識させてくれた。(巨人3連戦が中止の)7月末には練習でライブBPをやったりして、エンドランなどチーム打撃を徹底してもらった。

-劣勢の展開でもベンチは前を向き、試合前の円陣ではおもちゃのウサギが持ち込まれるなど、雰囲気の良さも目立つ

幸せのウサギ? 自分は全然知らなくて、いつの間にかいてるなと。結構、自由にやらせてますからね。しんどいと思いますけど、その中でもウサギとか、それをきっかけにみんなで盛り上がって、一丸になって同じ方向を向けていればいい。かしこまって、という風なのもなく、明るくポジティブにやるところが今のチームのいいところ。

-一方で、24日の阪神戦では、0-0の7回2死一、二塁で代打を告げられた浜口が打撃用手袋をたたきつけ、悔しさをあらわにした

あの悔しさがないとダメだと思います。監督の立場からすれば、チームが勝つために、どこかで勝負をかけにいかないといけないですけど、「投げさせてくれよ」って当然持っててくれないと。自分も現役の時はその気持ちが強かった。ただ、その後に選手を応援してる姿を見た時に、浜口も一回りも二回りも大きくなったなと感じた。

-勝負は30日間で27試合が予定される9月か

選手に言ったのは負けたのは悔しいけど、今まで積み上げてきたものがなくなるわけじゃないと。貯金を積み上げてきたのは選手たちが力をつけてきたからで、これでゼロになるわけではないからと。もう1回エンジンをかけ直して、やり返す。ネガティブなことは排除して、常にポジティブな空気を選手だけじゃなく、監督、コーチも作っていこうと。まだまだ心は折れてないです。

○…DeNA三浦監督の監督室に飾られている「反撃」の書は、毎シーズンの開幕前に訪れる横浜の元応援団長のお墓がある横浜市の久保山墓地近くの「富士家」の店主から贈られた。