日本ハムが西武に競り負け、今季の勝率5割以下が確定した。1回1死満塁でエンドランの奇策を仕掛けた新庄剛志監督(50)の積極采配も実らず、相手を上回る7安打を放ちながら1点のみに終わった。チームは連敗で今季70敗目。借金は今季ワーストの25となり、残り25試合に全勝しても勝率5割止まりとなった。31日西武戦で引き分け以下に終われば、6年連続V逸が決まる。

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BIGBOSSの勝負手は、結果的に裏目に出てしまった。初回1死満塁の大チャンスで、5番上川畑の初球に送ったサインはエンドラン。「まあ失敗しましたけど、あれは作戦としては失敗じゃない」。明確な狙いはあった。

新庄監督 (先発が)上沢くんだったから。初回の満塁で初球にゴロで1点、もしくは抜けて2点。また、走者がたまって3点。先にヨッシャっていう気持ちにさせたかったから。

故障明け2戦目のエースを気持ち的にも乗せるための“満塁初球エンドラン”。これは、相手先発の西武高橋の特長も考慮しての策だった。

新庄監督 高橋くんじゃなかったら(初球からエンドランは)なかった。満塁でも、どんどんストライクを取ってくるでしょ。

計算はバッチリだったが、初球は抜けた内角高めのボール球。これが誤算だった。上川畑は転がしきれずに三邪飛。スタートを切っていた二塁走者の近藤が戻れず、先制の好機を逸した。

3回無死満塁の場面でもエンドランを考えていた新庄監督だったが、打席には好打者の近藤。サインを出すのは見送った。

新庄監督 左中間にスーッとライナーで抜けていくイメージがあって。もう1回初球いきたかったけど…、それは、もう駆け引きなので。イメージ通りいったら全然面白くないでしょ。

失敗だけでなく、時には成功も重ねながら118試合目が終わってチームは45勝70敗3分け。残り25試合。来季へ向けて、少しでも失敗を生かした成功を重ねたい。【木下大輔】

○…上沢の完投も白星にはつながらなかった。同点の4回に森、呉念庭にソロ2発を被弾。その後は立て直して追加点を与えなかったが、8回5安打3失点で7敗目を喫した。「(本塁打は)1本目は仕方ないにしても、2本目は防げたかなと思います。何とかピッチングからチームが勝てる流れをつくらなきゃいけない」と反省。新庄監督は「よく投げたけどね」とねぎらった。

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