ホッとしたロッテ美馬学投手(35)に、目を細めた松川が近づいた。7回無失点。役目を終えて笑顔でベンチへ歩く15秒間は、大事な時間だ。「投げた球や反応の振り返りを。ほめることももちろん。投げたい球に偏りが出るので、松川に引っ張ってもらってる感じです」。連勝の勢いのまま、ソフトバンク打線を封じ込めた。

2人で歩いていたら、一塁から大きな影が寄ってきた。3打点の井上だ。美馬が驚き、笑顔を倍増させる。中大4年生の時に、井上が入学してきた。「晴哉が1年で入って4番に座ってから(東都)1部に上がったので」。頼れる後輩は、この日も打ってくれた。

8月はずっと5位で、月が変わってこの日で4連勝となっても、まだ5位だ。「コロナから明けたら、急に(上位と)離れてた感じがあって」。8月16日に復帰してから3登板連続で白星に導くから、投手陣の最年長右腕は頼もしい。

これで借金1、首位西武とも5ゲーム差に接近したが「とりあえずはCSに向かって、じゃないですか」という。3位オリックスとも3ゲーム差。水面下で怖い存在になりつつある。「若い選手も頑張っているし。安田も山口も。ずっと続いて、底上げしてくれたら」。確かな力で5位から浮上できれば、何かを起こせる。【金子真仁】

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