大敗で連勝ならず、ヤクルト高津監督は首をひねった。「全体的に先発が早い段階でビッグイニングをつくられてしまうゲームが続いている。休養も与えているつもりですし、他よりも多い人数で回しているつもり。(原因は)よく分からないです」。サイスニードが3回途中10安打9失点。チームは9月、3勝4敗で、2位DeNAとのゲーム差は6.5に縮められた。

「ビッグイニング」といっても、あまりに大きかった。3回、広島に打者15人の猛攻を許し、この回だけで3本塁打を含む10安打で球団ワーストに1点差と迫る12失点。12失点以上は球団4度目の屈辱だ。サイスニード、山本と投手がピリッとしなかったが、高津監督は「目に見えたミス、記録に表れないミス、ベンチもいい指示が出せなかった」と他にも原因を求めた。

目に見えたミスの1つが、村上の悪送球だ。同点とされ、なお無死満塁で上本の三ゴロを捕った後、本塁送球が三塁ベンチ側へそれた。捕手中村の足が離れ、勝ち越しの生還を許した。そこから大量失点につながった。ただ、引きずらなかった。4回先頭で野村から右越え二塁打を放ち、6点を返す足掛かりを作った。この回2度目の打席で四球を選ぶと、気合の入った表情を見せた。

追い上げは及ばずも、一方的に負けたわけではない。高津監督は「今日の反省はしっかりしないといけない。おさらいをしてから、明日に挑みたい」。村上も同じ思いのはず。DeNAと直接対決2連戦。1勝または2分けで優勝マジックがつく。【古川真弥】

▽ヤクルト塩見(4回1死満塁で中前へ2点適時打)「いい流れだったので、とにかく後ろにつなぐ意識でコンパクトに打ちました」

▽ヤクルト内山壮(4回1死満塁、代打で右前適時打)「先輩たちが作ったチャンスだったので、絶対につなぐ気持ちでした」

▽ヤクルト中村(11点を追う4回1死二塁で左翼線へ適時二塁打)「点差はあるけど1点ずつ返していく気持ちでコンパクトに打ちました」