巨人丸佳浩外野手が慣れ親しんだ古巣・広島の夜空にメモリアルアーチを届けた。1回1死一塁、遠藤の甘く入ったスライダーを逃さずに仕留めた。右翼席への26号先制2ラン。15年目にして通算250本塁打に到達した。

「(プロに)入ったときはホームランなんて望めるような選手ではなかった。こうやって250本打てたことは、頑張ればみんななれるのかなと思いますし、しっかり練習してきて良かったなと思います」と周囲のサポートに感謝した。

「あくまでホームランは自分の中ではおまけみたいなもの」とヒットの延長として捉える。250本のうち、約3割の80本はマツダスタジアムに届けてきた。ベンチ前で記念ボードを手にスタンドに頭を下げると「僕の勘違いかもしれないですけど、球場のみなさんから温かい拍手もいただきましたし、感慨深いものがありますね」としみじみ言った。負ければ2年連続のV逸決定となる一戦で、丸が先制パンチでチームを広島相手に2年ぶりの勝ち越しへと導き、CS進出への望みをつないだ。【小早川宗一郎】

○…中田が地元で2年ぶり9度目の20号に到達した。3回2死一塁、左中間への1発でチーム15年ぶりの20発クインテット(丸、岡本和、ポランコ、ウォーカー、中田)を完成。「他の選手が打てば点が入っているということ。いい流れで打席に立たせてもらってます」と感謝した。練習前には外野を走るなど調整も工夫し、好調を持続。「CSを争っているという意味でも、この勝ちは大きいと思います」とうなずいた。

▽巨人原監督(広島戦の勝ち越しに)「まだまだ試合は続くしね。明日以降の戦い方(が大事)というところですね」

▽巨人赤星(4カ月前に4回途中12失点でKOされた球場で5回無失点で5勝目)「マツダで最後だったので来年に悪いイメージを残さないようにというのもあったけど、CSに向けて大事な戦いになると思った。初回から全力でいった」

▽巨人坂本(6回2死一、三塁、中押しとなる左前適時打を放ち、2カ月ぶり、通算177回目の猛打賞)「追い込まれていたので、なんとかくらいついていきました。赤星が粘り強く投げていたので、追加点を取りたいと思っていました」

▽巨人ウォーカー(8回、左翼席上段への22号ソロを放つなど、来日初の1試合2本塁打)「思った通りのバッティングができたし、2本打てて最高だよ。大事な一戦で打てて良かった」