今季の本拠地ラストゲームで、巨人の若大将が豪快なアーチでファンを沸かせた。岡本和真内野手(26)が1点差に迫られた直後の6回、自身2戦ぶりの1発となる29号ソロ。価値ある1発で、首位ヤクルト相手に2年ぶりの勝ち越しを決めた。残り7試合。直近5戦4発と快音を取り戻した主砲の活躍で、チームは3位に浮上。頼れる男がCS進出へと引っ張っていく。

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ようこそ東京ドームへ。岡本和が今季の本拠地最終戦で1発締めした。1点リードの6回1死、ヤクルト大西の148キロシュートをしばきあげた。左中間席上段まで運ぶ飛距離131メートル弾は2試合ぶりの1発。「打った瞬間、いったなと思いました。ほんまにいい追加点になったと思います」と自画自賛。球団生え抜きでは王貞治、松井秀喜以来となる5年連続30本塁打に王手かけた。

本拠地ならではの楽しみを提供し続けた。登場曲にはライブにいくほど大ファンのサザンオールスターズの楽曲を使用。昨年の「東京ドームMVP賞」を受賞した際、「自分の好きな歌ですし、みんなが聞いたことあると思う。球場に来た人に好きになってもらいたいと思って流している部分もある」と話した通り、今季も明るいメロディーに乗せてアーチを量産してきた。

この1発も桑田佳祐の「炎の聖歌隊[Choir]」に乗せた。雨の中訪れたファンへ、歌詞にある通り「ご来場大変ご足労さん。ようこそここへ」という気持ちをバットで表現。「(シーズン)途中全く打てなくて、申し訳ないと思ってたんですけど、最後にちょっと打てて良かった」と最後の本拠地4連戦で2本塁打と調子を上げてきた。

残りはビジターで7試合。30本塁打に王手も「あまり意識はしないように」と大詰めを迎えるCS争いに集中する。「もう勝つしかない。負けられない戦いが続くので、なんとか一丸となってやっていきたい」。ファンの期待をバットに乗せて、好調な主砲がラストスパートをかける。【小早川宗一郎】

▽巨人丸(2点を追う3回1死一、二塁で右翼に適時二塁打)「浮いてきた変化球を何とかフェアゾーンに飛ばすことができました」

▽巨人ポランコ(4回無死、ヤクルト今野から24号ソロ)「追い込まれていたのでしっかりとコンタクトすることを意識していました」

▽巨人赤星(先発で6勝目を目指すも、3回5安打2失点で降板)「先頭打者を出してしまったことが反省です。長いイニングを投げたかったですけれど早くマウンドを降りてしまい申し訳ないです」

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