8月に左精巣がんの疑いのため左睾丸(こうがん)の摘出手術を受けたソフトバンク大関友久投手(24)が、7月30日以来約2カ月ぶりに1軍復帰登板を果たした。8回から3番手でマウンドに上がると、スタンドからは大きな拍手。先頭中村奨には左前打されたが安田を投ゴロ併殺打。井上は149キロの直球で空振り三振に切った。「(拍手は)すごい温かい気持ちが伝わってきてしっかり投げようと思った。リハビリからつないでくれたスタッフや首脳陣に感謝して力を出せるように頑張りたい」。藤本監督の要請もあって9回も続投。2回25球を投げ2安打無失点。「完封リレー」を完結させ、復活を印象づけた。

マウンドでは度胸満点の男も思わぬ病に心が折れそうになった。「ショックというより怖いという思いだった」。術後には王球団会長からのメッセージや、藤本監督、友人から電話などで心を持ち直したという。復帰マウンドでは冷静に自らの投球も分析した。「何とかゼロに抑えたけど、もう少し状態を上げないと大事なところでは抑えられない」。2軍戦3試合に登板したが、いずれも1イニング投球。残るV戦線ではロング救援も含めて「中継ぎ起用」にしっかり応えるために「球威も(投球の)質的なものも、もっと上げられると思う」と力を込めた。V奪回へ頼もしい左腕が戻ってきた。【佐竹英治】

○…千賀が6回106球ながら無失点に封じチームを連勝に導いた。「先発の仕事をしっかりやろうと思ってマウンドに上がった。しっかりできたのでは、と思う」。4四球もあって2回以降は毎回走者を背負った。3回2死満塁のピンチは安田を150キロ後半の直球で追い込むとフォークで二飛に仕留めた。「とにかく点をやらないようにと思っていた。(甲斐)拓也とうまくやっていけた」と振り返った。自身も11勝を挙げチームは2戦連続0封勝ち。「無駄な四球もあったが、さすがエース」と藤本監督も好投をたたえた。

▽ソフトバンク田中正(約1カ月ぶりの登板で1回を3者凡退に抑え)「久しぶりの登板だったので不安もありましたが、自分らしいパフォーマンスが出せたと思います。残り試合も少ないですが、チームの勝ちに貢献できるように明日からも頑張ります」

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