重圧も大歓迎! 25日にセ・リーグ2年連続の優勝を決めたヤクルトの4番、村上宗隆内野手(22)が次は偉大な個人記録に挑む。

13日巨人戦(神宮)で日本選手シーズン最多タイの55号本塁打を打ってから、9試合本塁打なし。だが前夜の優勝会見では「もっとプレッシャーかけて」と発言して場内をわかせた。残り6試合。数ある“プレッシャー案件”に負けず、どこまで記録を伸ばせるか注目だ。

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村上の口から飛び出したメンタル強めなひと言に、同席していた高津監督も思わず噴き出した。前夜遅く、神宮の一室で行われた優勝会見。本塁打するたびに次なる記録を期待される現状に対し「まだ終わってないんで、もっともっとプレッシャーをかけて、押しつぶすくらい、プレッシャーかけてもらいたいと思います」と言ってのけた。

13日の巨人戦で、64年王貞治(巨人)に並ぶ55号3ランを放った。以降9試合40打席にわたり、大飛球がない。4月6~17日の10試合46打席に次ぐノーアーチ状態で、ペナントレースは残り6試合に。“王超え”まであと1本、13年バレンティン(ヤクルト)の日本記録まであと5本。1日1本打たないと日本記録を更新できない計算だが、今季5打席連発があったように、ハマった時の固め打ちは目を見張るものがある。

令和初の3冠王との二兎も追う。「記録との戦いもありますけど、そこに挑戦できるのは今、僕しかいない。幸せを感じながら、いろんなプレッシャーもありますけど、自分ならできると信じて頑張りたい」。村上が一番、自分の力を信じている。【鎌田良美】

○…13年のバレンティンは9月11日に55号を打ち、チームの残り22試合(1試合欠場があり、出場は21試合)では5本塁打。55本までは出場109試合で打ったので、本塁打ペースは一気に落ちている。村上の現在の状況と同じチーム最後の6試合に限定してみると、左アキレスけん痛の影響もあって先発は3試合で、代打2試合、欠場1試合。10打席で本塁打は1本だけだった。

○…今季の村上はまだ犠飛がなく、犠飛0で打点王の可能性がある。犠飛が記録として採用されているシーズン(39~40、54年~)で、犠飛0で打点王になったのは20年に97打点の岡本和(巨人)しかいない。犠飛0で100打点以上は過去6人おり、89年ブライアント(近鉄)は犠飛0で121打点を挙げたが、打点王争いではブーマー(オリックス)と3打点差の2位だった。

 

○…村上へのご褒美「1億円の家」は、変わらずビジターでの56号達成でもゲットできる。トップスポンサーを務めるオープンハウスは当初、村上が神宮で56本目以降の本塁打を対象ゾーンに放った場合に「好立地の東京の家」(上限税込み1億円)を贈呈すると発表。その後、敵地で打ってもプレゼントと太っ腹に方針転換していた。村上にプレッシャーをかけるべく、再び条件を厳しくする可能性もある? かと思いきや、同社の広報担当者は「『プレッシャーかけて』の会見、見ました。ですが今のところ、方針は変わっていません」。残り6試合中、3試合はビジター。どこで打っても、マイホームが待っている。

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