CS戦線へ緊急合流だ。出場選手登録抹消中の広島秋山翔吾外野手(34)が27日、ウエスタン・リーグのオリックス戦で実戦復帰した。「3番指名打者」で先発出場。2打数無安打2三振に終わったものの、28日は守備にも就く予定。順調なら29日ヤクルト戦(マツダスタジアム)からの合流が見込まれる。

試合前には右翼と中堅でノックを受け、フリー打撃にも加わった。シートノックにも参加し、動きに問題はなさそう。8日中日戦以来19日ぶりの実戦打席となった1回は、フルカウントから山崎福の外角125キロ変化球に空振り三振。続く3回の2打席目は2死一、三塁から再び山崎福の低め129キロの変化球にバットが空を切った。5回裏降雨コールドゲームとなって復帰後初安打はお預けとなったものの、際どいコースを見極めながら、変化球にも反応する及第点の復帰戦となった。高2軍監督も「スイング自体はできている」とうなずいた。

10日の出場選手登録抹消は、「コンディション不良」という発表のみだった。現場の方針から詳細は分からないものの、決して軽いものではないとみられ、その中で可能な限り最善を尽くし、最短での復帰を探ってきたようだ。秋山は言葉を選びながらも「100(%)と言われたら100じゃない。でも今、100で戦っている選手なんていない。しっかり治して、必要とされるならば、そこに準備する気持ちでずっといた」と覚悟を口にした。

早ければ29日ヤクルト戦から1軍に合流する。通算1446安打のバットマンの存在は4年ぶりCSを目指すチームには心強い。残り3試合はすべて本拠地マツダスタジアム。まずは代打待機が濃厚も、「代打・秋山」のコールが響けば、球場の雰囲気も変わるはずだ。「生意気に(1軍に)いるだけでいいでしょなんて思っていない。体が動かなければ誰かに負担がかかる。必要とされる以上は、そこに合わせて準備する」。合流するだけでなく、チームの力となるために、秋山は1軍に帰ってくる。【前原淳】

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