“BIGBOSS”を卒業し、“新庄監督”として23年も続投することを発表した日本ハム新庄剛志監督(50)が、就任1年目に遭遇した数々の“涙”を振り返った。「涙を見せる選手が、今年はすごく多くて…」。直近では27日の試合で2回にスクイズを失敗した直後に交代となった「細川くん、昨日か。スクイズ(失敗直後)で代えたじゃないですか。ベンチ裏で泣いてました」と、明かした。

今季、そんな涙を新庄監督もたくさん目撃してきた。「もちろん2軍に行ってもらう時も泣いていた(選手がいた)し、それだけ真剣に野球に取り組んで、何とかチャンスをものにするんだ、レギュラーを取るんだ、このマウンドを俺は他のピッチャーに譲らないって」と、選手の気持ちを察しながら見守っていた。その中で、最初に涙を見たのは首位打者がほぼ確実となっている松本剛だった。

新庄監督 筆頭になったのが松本くん。(春季)キャンプ最終日に若い選手を見たいし、2軍に行ってくれと。で、泣いて。その涙を見た時に、この涙は必ずプラスになる、と。で、ソフトバンクとの開幕の前の日に呼んで4番でいくぞ、と。もう2度と(2軍に)落ちたくない。だから松本くんは福岡でスタートして、オールスター手前くらいまで自分は2打席が勝負なんだ。2打席、3打席目に打てなかったらレギュラーを外される、と。あれだけ打ってて、3割5分打ってる選手ですら、そういう気持ちになったシーズン。だから若い子たちはさらに、松本くんくらい、それ以上の気持ちでやっていたからこそ、ああいう涙が。感動しましたね。涙を見るたびに感動していました。

日本一を目指すと公言した来季へ向けて、今季は「土台はできた」とも話した。新庄監督が、そう確信できた裏には、数々の選手たちの涙があった。