侍ジャパン栗山英樹監督(61)は4日、都内で会見を開き、来年3月のWBCに向けた11月の強化試合4試合の代表メンバー28人を発表した。阪神からは佐藤輝明内野手(23)、近本光司外野手(27)、中野拓夢内野手(26)、湯浅京己投手(23)の4人が選出された。いずれもプロでは初めての代表入り。背番号7の佐藤輝は「ホームラン」を宣言。本戦出場への猛アピールを誓った。

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佐藤輝は晴れやかな表情で、初めての侍入りに胸を高鳴らせた。「侍ジャパンは子どもの頃からWBCを見て、憧れを持っていました。選んでもらってすごく光栄です」。代表の背番号は「7」。くしくも今季限りで現役を引退し、13年のWBCで4番に座って活躍した近大の先輩、糸井の番号を“継承”する形となった。超人魂を胸に秘め、強化試合での大暴れを誓った。

「結果を出さないと(WBCメンバーに)選ばれないので。しっかり振って、ホームランを打てるように頑張ります」

左打者では史上初の新人から2年連続20発をクリアした虎の若き大砲は、コロナ禍で中止となった3月の台湾との強化試合の代表メンバーにも名を連ねていた。「中止になった時は正直残念でしたけど、もう1回チャンスいただけたので、うれしいです」。今回はヤクルト村上、巨人岡本和ら長距離砲も選出されており、「トップの選手が集まる場。勉強って言ったらおかしいですけど、何か学べるものがあればいいなと思います」と共闘を心待ちにした。

矢野監督は佐藤輝の代表選出に「まだちょっと“選んでもらえた”ちゃうかなと。アイツの実力で本当にそこをつかみ取ったというふうには俺も捉えていない」と辛口コメント。「村上みたいに…というとアレかもしれないけど。『当然でしょ』というところまでいってほしい」と期待を寄せ、「周りがどんな空気感で戦ってるかとか味わってもらったら、またアイツのプラスになると思う」とうなずいた。

3日の休日を挟み、この日は甲子園で行われた全体練習に参加。フリー打撃や守備練習を実施し、8日から始まるDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ(横浜)へ向けて調整した。「ホント短期決戦なので、しっかり練習で準備して、初球から振っていけるように頑張ります」と闘志を燃やした。真の代表入りへ、ポストシーズンでも暴れ回る。【古財稜明】

◆阪神の侍ジャパン最多人数選出 阪神からは湯浅、中野、近本、佐藤輝の4人が侍ジャパンに選出。これは11年10月に侍ジャパンが常設化されて以降、最多の人数が選出となった。これまでは、21年東京五輪と直前の強化試合に青柳、岩崎、梅野の3人が最多だった。

○…初侍の近本がチャレンジを強調した。プロ4年目で初めて袖を通す日の丸のユニホームに「自分が変われるチャンスだと思って、チャレンジ精神をもってやっていきたい」と胸を高鳴らせた。今季は30盗塁を記録して2年ぶりの盗塁王を獲得。人気球団の顔となった近本に矢野監督も「実力でつかみ取ったというところがある。本人にとって刺激になると思う」と期待した。

○…2年目中野は侍でも持ち味のスピードをアピールする。各カテゴリーで代表歴はなく今回が日の丸デビュー。「野球をやっている以上は日の丸を背負って戦いたいというのはずっと思っていた」と感慨深げだ。「スピードを期待していただいていると思うので、塁に出たら、次を狙う積極性を出していって、チームに貢献できれば」と意気込んだ。

○…湯浅が人生初の代表入りを果たした。背番号は阪神と同じく65。今季最優秀中継ぎ賞を獲得し、ブレークを遂げた右腕は「ずっと日本代表に入りたいと思って、目標にしてやってきたので、素直にうれしいです」。小学生時代の09年に東京ドームでWBCを現地で生観戦した経験があるといい「イチローさんが打ったのは覚えてます。見ていた舞台なので、すごく出たい思いはめちゃくちゃあります」。この日はCSへ向けて甲子園でダッシュなどで調整した。

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