日本ハムは11日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷でスカウト会議を開き、投打二刀流で注目される日体大・矢沢宏太投手(4年)をドラフト1位指名することを決めた。

稲葉篤紀GM(50)は、この日の会議に出席しなかった新庄剛志監督(50)に報告した際の反応を明かした。

新庄監督は8月26日に行われたスカウト会議後に「一番注目が集まっているのは矢沢君かな。野手でお金をもうけた方がいい」と、野手で高評価していた。稲葉GMは「ボスにも話は、一応してあります。『わかりました。よろしくお願いします』と。ボスは足の速い選手、好きですから。盗塁もできますし。何でもこなせますから」と、二つ返事で球団の方針を受け入れたという。他球団と1位入札が重複した場合のくじ引きも、稲葉GMは当初の予定通りに「はい、ボスが引きます」と明言した。

矢沢と日本ハムの縁がつながれば、投打二刀流で育成する方針。そのかじ取りは新庄監督が担う。稲葉GMは「ボスは足の速い選手が好きですから、どの部門でも1軍としてやっていける能力はあると思いますし、ボスがどう使っていくかはこれから決まっていくと思う。投手も補強ポイントでもありますし。投手も野手も補強ポイントではありますから。全てをこなせるという意味では…」と期待。大渕隆GM補佐兼スカウト部長は「それこそ大谷みたいな、ああいう使い方は考えにくいですけど、新庄監督であればいろいろ工夫を考えてくれるんだろうなとは思う。そういう意味でも何となく道が見えてくるのかな」と話した。

矢沢は藤嶺藤沢から日体大へ進み、投打二刀流をこなす左投げ左打ち選手。中止となった3月の侍ジャパン強化試合・台湾戦では、日本代表にも選ばれていた。

◆矢沢宏太(やざわ・こうた)2000年(平12)8月2日生まれ、東京都町田市出身。忠生中では町田シニアに所属。藤嶺藤沢では1年秋からエース。甲子園出場はなく3年夏は南神奈川大会8強。高校通算32本塁打。日体大では1年春から外野手で出場し、1年秋には初登板。2年秋に外野手で、3年秋は投手で、今春は指名打者でベストナイン受賞。7月の国際大会「ハーレム・ベースボール・ウイーク」で大学日本代表。首都大学リーグ通算12勝、5本塁打。173センチ、71キロ。左投げ左打ち。

○…2年目の今川が、フェニックスリーグのソフトバンク戦に「6番左翼」でフル出場し、4打数1安打1打点。今季は94試合で打率2割2分7厘、10本塁打を残した。「1軍で1年間戦うためには、場面によって状況に応じてやるべきことをやらないといけないなと、つくづく思ったシーズンだった」と実感。同リーグ中は状況に応じた打撃が出来るよう励んでいく。

○…投打二刀流に挑戦中の上原が、8回2死二、三塁の第2打席で遊前適時内野安打を放った。「打った瞬間にショートの守備位置と打球を見て、いけるかなって思ったので全力で走ったんですけど、全力で走ると結構、足にくる」と苦笑い。フェニックスリーグ中は打者に専念し「とにかくバットに当てること」を心掛ける。

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