今年も、会いに行きます! 秋に行われるプロ野球ドラフト会議の指名候補を、日刊スポーツのオリジナルカード付きで紹介する「ドラフト候補全員!? 会いに行きます」。22年の第1弾は、目玉候補が並ぶ大学生編から。日体大・矢沢宏太投手(3年=藤嶺藤沢)は、最速150キロ左腕の投打二刀流。

体脂肪率1ケタ台の細身に、大きな可能性を秘めている。日体大・矢沢はエンゼルス大谷をほうふつとさせる投打の二刀流だ。本人は「レベルが違うので」と謙遜するが、魅力十分だ。

投手としての評価を、3年生でぐいっと上げた。ピッチングで思うような成績が残せず「投手か野手か絞る」と覚悟を決めて臨んだ昨年の春季リーグ。先発の柱として3勝を挙げ、防御率は0・90。今まで取り組んできたウエートトレや体幹強化など、すべての練習が実を結んだ。

秋季リーグでは、DH制を解除し「4番・投手」で先発した9月11日帝京大戦で、自己最速150キロをマーク。投手でベストナインに輝き「投手として成長できた1年だった。その成長のおかげで、どっちもできる」と自信をつかんだ。

野手としては173センチ、70キロながら、古城隆利監督(52)が「うちにあれだけ飛ばせる選手はいない」とうなる打力の持ち主。2年秋には打率3割6分8厘で外野手としてベストナイン入りしており、矢沢も「打撃が好き」と笑う。二刀流の調整方法も徐々に確立。先発登板した試合の翌朝に打撃練習、野手での出場前にブルペン入りと、週末の2試合でフル稼働するためのリズムもつかんだ。

そして大谷ばりの足もある。昨年12月に参加した大学日本代表候補選考合宿の50メートル走では、5秒8で全選手中トップ。「接戦で走らないといけない場面で、盗塁も決めたい」と動けることへのこだわりもある。大学入学時に掲げた「22年のドラフト1位」の目標へ-。キャメル色でそろえたグラブとバットを手に、駆け上がる。【保坂恭子】