ソフトバンクは11日、12日に開幕するオリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに向け、京セラドーム大阪で最終調整を行った。4戦連発中と絶好調の柳田悠岐外野手(34)は、天敵の相手エース山本由伸撃ちへ気合十分。「なんとか向かっていきたい」と主砲の自覚を示した。ポストシーズン18連勝中の鷹軍団が、オリックスとの頂上決戦に挑む。

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京セラドーム大阪で真っ先に快音を鳴らしたのは柳田だった。一番乗りでフリー打撃を行い、1発目のスイングで悠々とスタンドイン。直近4戦連発中の主砲は「打ててるので(状態は)いいと思います」と、表情も口調も柔らかかった。

リーグ王者オリックスとの頂上決戦。レギュラーシーズンは同勝率ながら直接対決の結果で覇権を譲った。2位に終わったソフトバンクにとってはリベンジマッチになる。初戦の相手は難攻不落のエース、山本由伸。「いいピッチャーなので難しいと思いますが、なんとか、なんとかいう気持ちで向かっていきたいなと思います」。柳田はキャプテンであり主砲。多くは語らないが、山本攻略には己のバットが命運を握っていると自覚している。

5月3日にはペイペイドームで山本から特大満塁アーチを放った。輝かしき記憶はあるが「全く関係ないです。どれだけ抑えられてもどれだけ打てても、その日の打席にならないと分からないもの。気持ちでいきます」と、冷静かつ熱い。大一番で怪物ギータが由伸退治に向かう。

今季は敵地オリックス戦で3勝10敗と大きく負け越した。忌まわしきデータにも藤本監督は「そんなん関係ないです。CSですからね。レギュラーシーズンじゃないわけやから。別物? はい」。普段はおおらかな指揮官が、前日練習から勝負師の顔に変わっていた。オリックスに1勝のアドバンテージがあるため、初戦を落とせば痛手となる。柳田も「もちろんどの試合も勝ちたい。1戦1戦」と、先手必勝へ意気込んだ。

チームはポストシーズン18連勝中。さらに柳田が本塁打を放てば11戦11勝という驚異的な記録がある。ギータが打てば、鷹は勝つ。絶好調の主砲で、下克上日本一への難関を突破する。【只松憲】

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