いよいよ開幕する日本シリーズ。日本一をかけた戦いはヤクルト、オリックス、どちらに軍配が上がるのか? 日刊スポーツ評論家陣の勝敗予想とともに、篠塚和典氏(65)、宮本慎也氏(51)、谷繁元信氏(51)が昨年と同じ顔合わせとなったシリーズの行方を占いました。

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2年連続で同じチームの対戦になった。昨年は4勝2敗でヤクルトが日本一になったが、今季は4勝3敗でヤクルトの連覇を予想したい。

ヤクルトはシーズン終盤、コロナの影響で離脱者が出て苦しんだが、セ・リーグでは頭ひとつ抜けた強さを発揮したと言っていい。一方のオリックスは混戦を勝ち抜き、最終戦で逆転優勝したしぶとさが生きる。

確かにオリックスは、エースの山本と攻撃の柱になる吉田正の存在が大きい。投打の主軸は昨年よりコンディションが良さそうで、ヤクルトにとっては昨年以上に脅威となるだろう。

一方のヤクルトは、昨年初戦に先発(7回1失点)した奥川が不在。高橋奎もペナント終盤戦でコロナで発熱。CSファイナルの3戦目に復帰し、ボールそのものは悪くなかったが、スタミナ面での不安は拭えない。

カギを握るのは、オリックスの山本が先発する試合。初戦後の2度目の登板は勝敗の状況によって変わるかもしれないが、5戦目か6戦目が予想できる。仮に6戦目なら、舞台はともに神宮。昨年は神宮ではなく、東京ドーム開催だっただけに、ヤクルトにとってチャンスは広がる。今季の山本は昨年より良さそうだが、慣れ親しんだ本拠地なら、2試合のうちどちらかは勝つチャンスが広がる。

CSファイナルでの村上の状態は、万全というほどではなかった。しかし、どんなに調子が悪くても四球を選べる技量はある。そしてオスナ、サンタナの状態は昨年より上。状況を見極めてチーム打撃ができる打線だし、強力なオリックス投手陣からも、ある程度の得点は可能だと思う。

いずれにせよ、昨年より接戦になることは間違いない。日本一を決めるにふさわしい戦いになるだろう。