ソフトバンクのドラフト1位、誉のイヒネ・イツア内野手(18)が21日、愛知県小牧市の同校で指名あいさつを受けた。

約30分の会談で球団から「世界一のショートに」と高い期待の言葉がかけられ、決意を新たにした。肉体改造で約16キロの体重増加に成功したイヒネの目標はチームの先輩となる柳田悠岐外野手(34)。将来的な弟子入りも志願し、さらなる進化に胸を躍らせた。

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数百通の祝福メッセージが届いたという運命の日から一夜明け。約30分の会談の後、イヒネは落ち着いた表情で力強く口にした。「世界一のショートになってほしいと言葉をいただいた。期待通りの結果を出せるように頑張りたい」。

184センチ、82キロの大型遊撃手として注目を集めた18歳だが、入学当時は66キロしかなかったという。「入部当初はワンバウンドでフェンスに当たって喜ぶバッターでした」。食事やトレーニングへ積極的に取り組み、約16キロアップに成功。「打球が飛ぶようになった」と話す手応えは高校通算18本塁打に表れている。

3年間で力をつけ1位指名を勝ち取ったイヒネ。憧れの存在には柳田悠岐の名前を挙げる。「ずっとテレビで見てた人と同じチームで同じ舞台で戦えることが本当にうれしい。たくさんいろいろ聞いてみたい」。将来的な柳田との自主トレについても「もちろん(一緒にやってみたい気持ちは)あります。憧れの選手なので。おこがましいかもしれないですけど」と早くも、タカの主砲に弟子入りを志願した。

永井智浩執行役員編成育成本部本部長兼スカウト部部長は「体を作って、経験を積んで、年数を決めずに。焦ることなく(育てて)いきたい」と育成方針を口にする。今宮の後継者としての期待がかかるが「全てにおいてレベルが高いので、どの部分もトップレベルの、今までにないショートになると思う」と太鼓判を押した。また、憧れの存在である柳田との比較でも「スイングとか、飛ばす能力は匹敵するものがある」と評価した。

指名あいさつを終えたイヒネは「1位が確定した実感がわいた」と話したが、「今まで通りやっていくというのは変わらない」と淡々と力強く続けた。3拍子そろうダイヤの原石は福岡でさらに磨かれる。【波部俊之介】

○…「あんこが好き」と話すイヒネ。中でも好物はたい焼きだ。体重増加のため「おなかをすかせないことを大事にした」と語り、間食を増やし、部に置かれているというどら焼きは最高で1日10個以上食べた日もあったとか。この日球団から都内の人気店「ひいらぎ」の、つぶあんのたい焼き20個を差し入れられた。大量の好物に「幸せになりながら体重も増やせて一石二鳥です」と笑顔を見せた。