広島は22日、今季国内フリーエージェント(FA)権を取得した西川龍馬外野手(27)がFA権を行使せずに残留することを発表した。決断理由には「決め手は、新井さんです」ときっぱり。12日の就任会見前日に電話で話をした新指揮官の存在が揺れる気持ちを残留に傾かせた。契約年数は単年となる見込み。

西川は今季、97試合に出場し、規定打席に19打席届かなかったものの、打率3割り1分5厘を残した。下半身のコンディション不良で約2カ月離脱した中でも打線の大きな得点源となった。プロ入りから通算2527打席に立ち、通算打率2割9分8厘という打力は他球団の評価も高く、動向が注目されていた。

すでに残留を発表している野間に続き、西川も残留となった。

来季から指揮を執る新井監督は12日の就任会見後、地元テレビ番組出演時に「(現役時にFA移籍した)お前が言うなと言われるかもしれないですが」と前置きしつつ「選手が頑張って得た権利ですが、残ってもらいたい。いてもらわないと困る。彼らには私の思いを伝えている」と慰留したことを明かしていた。新指揮官のラブコールが届き、去就が注目された2選手が来季も広島でプレーする。

西川は来季へ向けて「今シーズン、ケガでなかなか思うようにいかなかったので、来年はケガなく1年間プレーしたいなと思います」と意気込みを語った