就任間もないロッテ吉井理人監督(57)が、日刊スポーツの単独インタビューに応じた。リラックスすると一人称が「ワシ」になる新指揮官。日本シリーズも終わり、1年後には“ワシ流で”笑う。

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単独インタビューは就任から3週間たった、10月28日に行った。宮崎市・アイビースタジアムと同敷地にある、生目の杜運動公園第2野球場。そのネット裏にある、小ぶりな観客席のベンチに少々距離を置いて、横並びに座った。

電撃就任後の慌ただしいスケジュール。コロナ禍でなければ、ホテルの一室を使ってもおかしくないような新監督インタビューを「おっ、青空インタビューやなぁ」と楽しそうに応じてくれた。マスクに隠れた口元は見えないものの、穏やかな語り口で時の流れもゆっくり。雨が降らなくて本当に良かった。

紙面用のインタビューだから写真が必要だ。個性派で「1回いろいろなことを壊してから作っていこうと思います」と、従来の常識にとらわれないタイプ。写真、どうしよう。勇気を出して“自撮り”をお願いしてみたが「ワシ、あんまり自撮りやったことないんよ~」とのこと。

グラウンドでの写真じゃ普通だし…。思案しながら周りを見渡すと、球場の外にピンク色のコスモスがたくさん咲いていた。「あそこでもいいですか?」「行こか」。年下の記者のことも紳士的に思いやってくれる。軽やかなフットワークがとてもありがたい。

「お花の似合う監督になれるかなぁ」

コスモスを眺めながら、サラッと名言(?)も出た。「ワシ、チューリップが一番好きかな」と続けた。理由を尋ねると「やっぱり、春の花やし」と教えてくれた。

電撃就任から間もなく宮崎に飛び、もうすぐ投手コーチを務める侍ジャパンの日程も始まる。年明けもキャンプやWBCが控える。目まぐるしい新生活を抜け、好きな花が咲く季節にどんなチームを作ってペナント開幕を迎えるのだろう。チューリップの花言葉は「思いやり」だそうだ。【ロッテ担当=金子真仁】

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