プロ野球ドラフト会議でロッテ3位指名を受けた日本文理・田中晴也投手(18)と阪神4位指名の帝京長岡・茨木秀俊投手(18)が初めて対談した。

田中が最速150キロ、茨木が最速147キロと今夏の全国高校野球選手権新潟大会決勝で投げ合った剛腕は、今度はプロに舞台を移して切磋琢磨(せっさたくま)する。

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ライバルと認め合う田中と茨木がプロの世界に進む。田中がロッテ3位指名、茨木は阪神4位指名と高い期待を背負う2人が胸の内を明かし合った。

-田中は10月27日、茨木投手は31日に球団から指名あいさつを受けた

田中 先発投手として頑張ってほしいという期待を伝えていただきました。目指さなければ、と気持ちが固まりました。

茨木 周囲の方々の反応が多く、声をかけてもらえることも増え、プロ野球選手になるんだな、という思いが強くなりました。

-球団について調べたりは

田中 選手名鑑を買ってロッテの選手を見たり、どの背番号が空いているかを調べたり(笑い)。

茨木 僕も背番号を調べました。あとは阪神のYouTubeを見るようになった。やはりファンが熱い印象です。やじも多そうだけど(笑い)。

-お互いの指名を知ってどんな感想を

茨木 田中君が早かったなって(笑い)。そろって指名されて良かったなと。

田中 会見後にチームメートから聞きました。戦ってきた相手が一緒に指名されてうれしかったです。

-今夏の新潟大会決勝は日本文理が帝京長岡に延長11回2-1でサヨナラ勝ちした。田中は11回を3安打1失点、9三振、茨木も10回2/3を6安打2失点で8三振を奪った。

田中 投げ負けたくないというのはありました。先にマウンドを降りたら負けだと思って投げました。

茨木 負けたくなかったです。甲子園まであと1勝だったので、自分が投げ切って勝ちたいと。

田中 打者としては茨木君から打ちたかった。

茨木 芝草監督から「絶対に抑えろ」と言われていた(笑い)。

田中 (5打数無安打3三振に)抑えられた。完璧に(笑い)。

-改めてお互いのことをどんな投手だと

茨木 ギアの上げ方やカウントの取り方のうまさは見習わなければと。

田中 自分にはない器用さと空振りを取れる球があるのはうらやましいです。

-プロ1年目の課題は 田中 今も取り組んでいますが、プロで通用する体作りを継続してやっていきたい。1年間プロで投げられる体力をつけたいです。

茨木 僕は大きなケガをしたことがないので、これからもケガをしない体をしっかり作りたいです。

-セ、パに別れる

茨木 対戦したら、今度は勝ちたい。

田中 もちろん負けたくない。投げ合うのが楽しみ。

-出会えたことには

田中 県内にこんなにいい投手がいたので自分も成長できました。3年間意識していた。これからも高め合える関係でいたい。

茨木 新潟に来てライバルに出会えました。高いレベルで競い合えたのが良かった。負けたくないという気持ちで頑張りたいです。【聞き手・斎藤慎一郎】

◆田中晴也(たなか・はるや)2004年(平16)6月6日生まれ、長岡市出身。四郎丸小2年から赤城ベースボールクラブで野球を始める。長岡南中では軟式で3年時に県大会3位。日本文理では1年秋からベンチ入り。2年春から背番号1を背負い、2年連続夏甲子園出場。186センチ、92キロ。右投げ左打ち。

◆茨木秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年(平16)6月8日生まれ、北海道出身。手稲中央小2年から手稲ヤングスターズで野球を始め、3年から投手。手稲中では少年硬式野球の札幌東シニアに所属し、3年時に全国選抜大会出場。高校では1年生夏の県独自大会からベンチ入り。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。