お手本ノックの次の日は芝刈れ!? 阪神岡田彰布監督(64)が、秋季キャンプ地の安芸市営球場の外野芝生を短くしろと「芝刈り指令」を出した。

キャンプインした2日の練習時、安芸市職員と阪神園芸のスタッフに通達。甲子園と同じ長さにそろえるように求めた。「(長いと選手の)足疲れるわ。(打球も)転がらへんもんな」。左翼ファウルゾーンからシートノックを見守った時、足元の違和感を感じての指令だった。

命を受けた担当者は早速、2日の練習後とこの日午前7時からの合計約3時間で、20ミリ以上に伸びていた芝を18ミリにそろえた。それでも岡田監督は「まだちょっと長いな」と苦笑い。甲子園には3台の芝刈り機があるが、安芸には2台しかない。一気に刈ると芝への負担も大きく、2日ががりになる。そのため4日の休日も使い、メイン球場とサブグラウンドの両方を15~14ミリにそろえる。阪神園芸関係者は「甲子園でのシーズン中の芝と同じ長さです。(芝生の状態の)限界まで刈ります」と明かした。

甲子園と同じ状態にしないと練習する意味がない。岡田監督も「甲子園は試合場、安芸は練習場」と話す。短い方が当然、打球速度も速い。より本番に近い形で対応力をつける必要がある。練習のための練習ではなく、試合を想定した練習で技術を高めなければ、5年連続12球団ワースト失策中の守備力向上は望めない。長すぎる芝に足を取られ、故障するリスクも減らせるのもメリットだ。

スタッフもキャンプイン前日の1日に短くしようとしていたが、当日は雨で刈ることができなかった。硬い品種の高麗芝も交ざっているため、伸びると芝目が立ち、深くなる。だが目ざとい岡田監督から、間髪入れず、急所を突いた要望が来た。キャンプ初日は自ら遊撃でノックを受けて手本を示し、大山の打撃改造にも着手したかと思えば、芝生の状態もチェック。64歳、岡田監督の“守備範囲の広さ”はウル虎級だ。【石橋隆雄】

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