プロ野球の発展に大きく貢献した野球人に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、都内で開かれ、史上最年少で3冠王を獲得したヤクルト村上宗隆内野手(22)が、特別賞に選出された。

特別賞は04年に米大リーグのシーズン最多安打記録を更新したイチロー(マリナーズ)、13年に24勝0敗でチーム初優勝に貢献した田中将大(楽天)、21年に米大リーグで投打二刀流で大活躍した大谷翔平(エンゼルス)、同年の東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンの稲葉篤紀前監督以来、5人目となる。

選考委員会で座長を務めた山本浩二氏は「かなりそれぞれの意見が出ました。私は野手出身ですので、村上を推したわけなんですが、その中でも中嶋監督の去年からの采配、そして今年の日本シリーズの数々のゲーム。緊迫したゲームを勝ち取った。こうした中嶋監督采配といいますか、思い切りの良さがうかがえます。この正力賞は監督が、かなりとられているということもありまして。中嶋監督を正力賞、特別賞に村上選手となりました。それぞれが意見を出し合ったと思います」と総評を述べた。

村上は、日本選手最多となるシーズン56本塁打を放ち、打率3割1分8厘、134打点とあわせ、04年松中信彦(ダイエー)以来の3冠王を獲得。他にも日本新記録となる5打席連続本塁打や、史上最年少での通算150本塁打など、記憶と記録に残るアーチを量産し、チームを29年ぶりとなるリーグ連覇に導く原動力となった。

◆正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に功績を残した正力松太郎氏を記念し、1977年(昭52)に制定。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に、選考委員が選出。受賞者の最多はソフトバンク工藤監督の5度。賞金500万円、特別賞は300万円。

【関連記事】野球ニュース一覧>>