そら青柳よ! 阪神岡田彰布監督(64)が来年3月31日の開幕DeNA戦(京セラドーム大阪)の先発に青柳晃洋投手(28)を最有力に考えていることを示唆した。指揮官は開幕投手の理想について「1年間ローテを守れる」「2桁(勝利)」「貯金をつくれる投手」と明言。2年連続で最多勝を獲得し、21年には7つ、22年は9つの貯金をつくった右腕がピタリと当てはまる。前回監督を務めた5年間も井川慶ら前年好成績を残したエースを指名しており、岡田阪神の船出も青柳で、と考えるのが順当だろう。

ただし、条件が付く。来年3月に開催されるWBCで侍ジャパンに選出された場合は、NGという考えだ。岡田監督は「WBC行って開幕投手はムリやろ。日程的にしんどいで。ボールも違うボール投げてるんやで」と指摘。米国で行われる同21日の決勝まで進んだ場合、帰国なども含めるとシーズン開幕の31日まで10日を切る。しかも2月中旬の侍ジャパン合宿から使うボールも規格が違う。そうした諸条件を鑑みても、開幕投手は無理との判断だ。

青柳も前向きに捉えた。この日は社会貢献活動の一環で横浜市鶴見区の小学校2校を訪問。「WBCに選ばれたらそれに向けて全力でやる」と意欲を示し、「もしそうじゃなくても来年、開幕投手という目標がある」と両にらみで準備を進める考えを明かした。昨年は東京五輪で代表入りしたが、痛打されたリベンジへの思いも強い。初の開幕投手は今季決定していたが、コロナ陽性判定で逃した無念もある。「達成できていないことはしたいと思う」と力を込めた。

岡田監督はDeNAの開幕投手についても「今永も(侍に選ばれる)可能性高いやろ? そら合わすのはキツいと思うよ」と指摘。「(リリーフで)湯浅が選ばれても、最初から何カードかはしんどいなと思てるもん」とも明かした。現時点での開幕投手の最有力は青柳、でもWBCに選ばれるかどうかで一転、競争になる。年内にも発表される侍ジャパンメンバーに、虎の3・31マウンドも大きく左右されそうだ。【前山慎治】

○…青柳はこの日、横浜市鶴見区の小学校2校を訪問した。21年シーズンから1勝につき10万円相当の本や図書カードを同区内の保育園や小学校に寄贈。13勝を挙げた今季は、130万円相当の本や図書カードを贈った。澁谷鶴見区長は「ベイスターズファンなので、ベイスターズ戦以外で15勝くらい勝っていただいて」とジョークを交えて上積みを期待。青柳も「多く勝って多く寄付したい」と力を込めた。

○…青柳が16日の夜、球団から背番号17への変更も可能と打診されたことを明かした。今季まで17番を背負っていた岩貞が来季から14番に変更。「17番は少年野球を始めたときに初めてもらった背番号。大学でも4年間つけた」と興味を示しつつも、「(阪神1年目から背負う)50番も愛着ある。まだ何も決めていない」と話すにとどめた。

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