プロ野球の快記録や珍記録を振り返る連載「データで見る22年」。第12回はオリックス山本由伸投手(24)を取り上げます。

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山本は6月18日西武戦でノーヒットノーランを達成し、昨年に続いて勝利、防御率、勝率、奪三振のタイトルを獲得。ノーヒットノーランを達成した年に投手4冠は37年春の沢村(巨人)43年藤本(巨人)に次いで3人目。2度目の投手4冠は初めてだ。MVPと沢村賞も2年連続で受賞。2年以上続けてMVPは村上(ヤクルト)を含め12人(15度)となり、投手では5人目。2年以上連続の沢村賞は6人目だが、2年続けてMVPと沢村賞のダブル受賞は初めてだった。

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今季も高いレベルの数字を残した。「15勝・防御率2点未満・勝率7割5分・200奪三振」の4条件を2年連続でクリアしたのは57、58年稲尾(西鉄)07、08年ダルビッシュ(日本ハム)に次いで3人目だ。4部門の中でも注目したいのが防御率。21年1・39→22年1・68と、2年ともぎりぎりの1点台ではない。2年以上続けて防御率1・70未満は56~59年稲尾以来になる。6回以降の防御率は21年1・98→22年3・00で昨年より悪かったが、1~5回の防御率は21年1・11→22年1・04。特に、今季は序盤3回までの防御率が0・46と、立ち上がりの不安は全く見られなかった。

19年の防御率、20年の奪三振を加え、山本が獲得したタイトルは早くも10個目。投手4冠部門のタイトル(表彰がない時代を含む)は金田(巨人)の16個が最多で、10個以上は9人目。稲尾、スタルヒン(巨人)に並ぶ24歳の最年少で10個に到達した。

4部門すべて複数回獲得したのは稲尾、上原(巨人)に次いで3人目。稲尾は勝率、上原は勝利、防御率、奪三振が2度で、4部門とも3度以上はまだいない。24歳で10個の山本はタイトルをどこまで増やせるか。【伊藤友一】